フォーナウ通信

肩甲骨攻略法

2025.5.31

腰痛・肩こり・首の痛みに効くキーポイント

肩甲骨というと、肩こりに関係する部位という印象を持たれる方が多いと思いますが、実は腰痛や首の痛みにまで深く関わっている重要な骨です。

スポーツにおけるパフォーマンスにも影響の大きな部位となります。


本記事では、「肩甲骨の機能をしっかり取り戻すこと」が、体の不調を根本から改善する第一歩であることをお伝えします。


肩甲骨は「上肢の軸」

肩甲骨は、鎖骨と胸骨のつなぎ目である「胸鎖関節」を介して体幹とつながっています。
つまり、肩甲骨を通じて腕と体幹は唯一の関節的なつながり
を持っており、**胸鎖関節は上肢の“軸”**であり、それと密接にかかわる肩甲骨は非常に大切な働きをしています。

このため、肩甲骨の機能が低下すると、腕だけでなく首・肩・腰にまで悪影響を及ぼすのです。


肩甲骨の6つの基本動作と関係する筋肉

肩甲骨には以下の6つの基本動作があります。これらはすべて姿勢保持、運動、日常動作に関わっています。

動き内容主な筋肉
挙上上に持ち上げる僧帽筋上部、肩甲挙筋
下制下に引き下げる僧帽筋下部、広背筋
内転背骨に寄せる僧帽筋中部、菱形筋群
外転背骨から離す前鋸筋、小胸筋
上方回旋腕を挙げるときの回旋僧帽筋上部・下部、前鋸筋
下方回旋腕を下ろすときの回旋菱形筋群、肩甲挙筋、小胸筋

肩甲骨の動きを引き出すダイナミックストレッチ

これらの動きに対応する**ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)**を取り入れることで、肩甲骨の柔軟性と可動性を高めることができます。

最低でも10回、できれば20回以上行うと眠っている肩甲骨を動かす筋肉が目覚めます。

  • 挙上:親指を上にして下から後ろへ下げながら回す。(下制の反対)
  • 下制: 親指を上に向けて、前から上にあげます。 バンザイのような動き
  • 内転:手の甲が後ろでつくような動作。
  • 外転:掌が前でつくような動作。
  • 上方回旋:横から手を上に挙げる。 最後は手がクロス
  • 下方回旋:横から手を下に下げる。 最後は手がクロス

これらを日々の体操として行うだけでも、姿勢の改善、肩こり・首の緊張緩和、腰部の負担軽減に大きな効果を発揮します。


上肢のケア体操が腰痛・肩こり改善の近道に

肩甲骨が滑らかに動くことで、腕や肩、首だけでなく胸郭や背骨、腰部の負担も分散されます。

ダイナミックストレッチで下ごしらえをした後に腰痛肩こりケア体操を行うとさらに効果的です。肩甲骨の動かし方、安定性も向上します。


肩甲骨を“しっかりと動かせる”身体を目指して

ただ肩甲骨を揉む、押す、ではなく、動かすことで機能を回復することが本質的な改善につながります。
毎日のストレッチや体操を通じて、「しっかりと動かせる肩甲骨」を手に入れましょう。

ケガをしない「バネ」のある体づくり

2025.5.29


〜自分の身体を知ることからはじめよう〜

こんにちは。TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋です。
今日は、「ケガをしない体づくり」について、特に“バネ”のある身体に必要な条件と、関節の固さ・柔らかさとの関係についてお話ししていきます。

ケガをしにくい人の共通点

多くのアスリートを見ていて感じるのは、ケガをしにくい人にはある共通点があるということです。
それは、「関節が固い」ということ。
「え?固い方がケガしにくいの?」と疑問に思う方も多いと思います。

ここで言う「関節が固い」とは、可動域が狭いという意味ではありません。
正確には、「関節が安定している」「過度に動かない」「緩くない」という意味です。
つまり、“グラグラしない関節”です。

関節の「固さ」「柔らかさ」は生まれつき

人間の関節の構造は、遺伝的な要素が強く、

  • 生まれつき関節が「固い人」
  • 生まれつき関節が「柔らかい人」
  • その中間の「バランスタイプ」
    に分かれます。

たとえば、関節が固い人は、靭帯や関節包がしっかりしていて、関節が安定しています。
一方、関節が柔らかい人は、体が非常にしなやかで、可動域も広いのですが、関節にかかる負担が可動域が広いがために、ケガをしやすい傾向があります。

私がよく観察しているレスリングの世界でも、ケガが少ない選手ほど関節が固いタイプであることが多いです。
ただし、固いだけでケガをしないわけではありません。
ある程度の柔軟性があり、「固さ」と「柔らかさ」のバランスが取れている人が、ケガに強く、かつパフォーマンスも安定しています。

柔軟性は努力で伸ばせる

関節ニュートラル整体によって弾力を回復することは可能ですが根本的な部分は変わりませんし、関節の構造自体を変えることはできません。これは生まれつきのものです。

しかし、筋肉や筋膜の柔軟性は、努力で高めることができます。

つまり、努力で変えることができるのは「筋肉の柔軟性」です。
そして柔軟性を高めることは、関節へのストレスを減らし、よりしなやかな“バネのある動き”を作り出すために不可欠です。

推奨している、腰痛肩こりケア体操をマスターすれば、その人の限界まで筋肉の可動域を高めることができます。

「柔らかい人」はなぜケガをしやすいのか?

関節が柔らかい人は、柔軟性がある分、動きの幅も大きく、しなやかです。
しかし、その分関節が不安定で、衝撃を受けた際にズレやすく、脱臼や捻挫、靭帯損傷のリスクが高まります。

基本的に可動域が広がれば広がるほど力は入りずらくなります。力の入らない、入りにくいポイントで負荷がかかって損傷が起きてしまうことが多いのです。

関節の固い人はテーピングで補強しているかのようにしっかりしています。

実際には見た目では判断できず、脱力している状態で関節を動かしてみた初めてそれがわかります。

筋肉と瞬発力の関係

もう一つの視点として、関節のタイプと筋肉のつき方・運動能力の傾向があります。

  • 関節が固い人:筋肉がつきやすく、瞬発力がある
  • 関節が柔らかい人:筋肉がつきにくく、瞬発力が弱い

これはあくまで傾向ですが、関節が安定していることで、力をうまく地面に伝えることができ、その結果、“バネ”のあるパワフルな動きができるのです。

中にはこれらのいいとこどりで、関節が柔らかくて柔軟性があり、かつ筋肉がつきやすく瞬発力もある「バケモノ級」の選手もいます。しかしそのような選手でさえ、接触の多いコンタクトスポーツではケガが多い傾向にあるのが現実です。

結局は「今ある自分の体」とどう向き合うか

ここで大事なことをお伝えします。
自分が関節のどのタイプかを知ることは非常に大切です。
しかしそれは「優劣」ではなく、「特性」です。

変えられないことに目を向けるよりも、今ある自分の体の状態を正確に把握し、可動性(動く力)と安定性(支える力)を高めていくことが、ケガ予防とパフォーマンス向上の鍵です。

実践のためのヒント

  1.  ケア体操をマスターして可動性と支持性を身に着ける
  2.  最低限の筋力トレーニングは必須
  3. 動きすぎないようコンパクトに動けるよう動作を見直す。
  4. 整体や専門家による評価・調整で定期的にメンテナンスを行う

おわりに

ケガをしない体づくりの鍵は、「自分を知ること」にあります。
あなたの体が持つ特性を活かし、バネのあるしなやかで強い身体を目指していきましょう。
もし自分の体のタイプがよくわからない、動きやすい体を作る方法が知りたいという方は、ぜひ一度TOKYO腰痛肩こりケアセンターへご相談ください。

あなたの身体が本来持つ“強さ”を引き出すお手伝いをいたします。

膝の痛みの種類とその本質的な改善方法

2025.5.25


— 太ももの筋バランスと関節の弾力を整えることの重要性 —

こんにちは。TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋です。
今回は多くの方が悩まれる「膝の痛み」について、種類とその背景にある原因、そして本質的な改善法について詳しくお伝えします。

膝の痛みの種類とは?

膝の痛みには多くの種類があります。単に「膝が痛い」といっても、その部位・痛みの性質・きっかけは様々で、それによって原因と対策も異なります。以下は代表的な分類です。

1. 外傷性の痛み

スポーツや転倒、日常生活での打撲や捻挫などが原因となる痛みです。前十字靭帯損傷(ACL損傷)や半月板損傷、内側側副靱帯損傷などが含まれます。

2. 変性性の痛み(加齢・使いすぎ)

変形性膝関節症に代表されるように、加齢や繰り返しの使用によって軟骨がすり減り、炎症や変形が起こることで生じる慢性的な痛みです。

3. 炎症性の痛み

関節リウマチや滑液包炎など、免疫的・炎症的な背景をもつ疾患に伴う痛みです。熱感や腫れを伴うことが多いです。

4. 機能的な痛み

構造的には異常がないのに、姿勢不良や動作のクセ、関節の弾力(可動性と支持性)のアンバランスによって生じるものです。多くの人が当てはまるのはこの「機能的な膝痛」です。

実際にはこの要素が複数入り混じっている場合も。


関節の弾力とは?

「関節の弾力」とは、関節が持つ柔軟性と支持性のバランスを意味します。柔らかすぎても、固すぎても関節はうまく働きません。

例えば、膝関節が固くなりすぎると、衝撃を吸収できずに動作のたびに痛みが起こります。一方で、ゆるくなりすぎても安定性が失われ、痛みの原因になります。

関節ニュートラル整体では、この適正な弾力の回復を目的としたアプローチを行い、全身の関節を検査・調整することで、本来の機能を取り戻していきます。


太ももの前と裏のバランスが崩れている

膝関節の痛みに大きく影響するのが、太ももの筋肉のバランスです。

▽ モモの前(大腿四頭筋)とモモの裏(ハムストリングス)

本来、この前後の筋力バランスが取れていることが理想です。しかし、現代人には以下のような傾向がみられます。

  • 内側広筋(大腿四頭筋の内側)が弱い
  • 大腿二頭筋(ハムストリングスの外側)が強い

大腿二頭筋は下肢の筋肉の中でも柔軟性が低下しやすい部位となります。固い=強いとは限りませんが、このバランスの崩れがあると、膝の内側が支えられず、膝蓋骨(お皿)の動きが不安定になります。階段の昇り降りやしゃがむ動作で膝が痛む方は、まさにこのパターンが多いです。

よくあるケースはいわゆる「ニーイン」と呼ばれる支えられずに膝が内側に入ってしまう動作です。

理想的にはモモの前面は強く、裏側は柔軟性があるというのが理想ですが、その限りではありませんので状況に応じてそれらを見極めなければなりません。


股関節や足関節の機能も見逃せない

膝の動きは、単体で成立しているものではありません。股関節と足関節という上下の関節の影響を大きく受けます。

▽ 股関節の可動性低下

股関節の屈曲や内旋・外旋が十分でないと、しゃがむ・立ち上がるなどの基本動作の際に膝に過剰な負担がかかります。

▽ 足関節の可動性低下

足首が固い(背屈制限がある)と、歩行やスクワット時に膝が前方に押し出され、膝関節の構造的負担が高まります。

このように、膝関節単体ではなく全身の連動した動作の中でどこに問題があるのかを見極めることが、痛み改善の近道です。


膝関節の痛みに対するアプローチ

TOKYO腰痛肩こりケアセンターでは以下の流れで、膝の痛みにアプローチしています。

1. 全身の関節の弾力検査

関節ニュートラル整体の基本的な考え方で、膝だけでなく股関節・足関節・骨盤・脊柱など全身の関節を検査します。

2. 筋バランスのチェック

可動性や支持性、どの部位が弱く、どの部位が固いかを検査して運動やストレッチを指導します。

3. 姿勢と動作の修正

歩き方、立ち方、しゃがみ方、階段の昇り降りなど日常の動作のクセが原因の場合も多く、適切な体の使い方を身につけることが重要です。

4. セルフケアと継続的な調整

自宅でできるストレッチや体操を取り入れ、関節の弾力を保つサポートも行います。


まとめ

膝の痛みには様々な種類があり、単なる加齢や使いすぎだけが原因ではありません。
本当の意味で改善を目指すなら、関節の弾力を回復させ、太ももの筋バランスを整え、全身の連動性を取り戻すことが必要不可欠です。

TOKYO腰痛肩こりケアセンターでは、膝の痛みだけでなくその背景にある全身の不調を見極め、根本改善をサポートしています。

長年膝の痛みで悩まれている方、これまでの治療で改善がみられなかった方は、ぜひ一度ご相談ください。
本来の体の動きを取り戻し、痛みのない日常生活を一緒に目指しましょう。

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