アキレス腱の機能低下と足首の背屈制限がもたらす全身への影響

2025年5月6日


〜「トイレ座りができない人」は要注意〜

私たちの足首には、日常生活を支えるうえで非常に大きな役割があります。特に「背屈(はいくつ)」と呼ばれる、足首を上に曲げる動きは、歩く・しゃがむ・階段を上がるといった動作に不可欠です。この背屈の動きに深く関わっているのが、アキレス腱です。

ところが、現代人の多くがこのアキレス腱の柔軟性や機能を低下させてしまい、足首の背屈制限を起こしています。そしてその影響は足首だけにとどまらず、膝や腰、さらには肩や首にまで広がる全身の不調を引き起こす可能性があります。

今回は、アキレス腱と足首の背屈制限が招く全身への影響と、その改善のための考え方について解説していきます。


トイレ座りができない? それは「背屈制限」のサイン

まず、分かりやすい指標として「トイレ座り(和式トイレのような深くしゃがむ姿勢)」ができるかどうかが、足首の柔軟性のバロメーターになります。

このトイレ座りをしようとしたときに、かかとが浮いてしまう・後ろに倒れそうになる・バランスがとれない、という方は、アキレス腱やふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)が硬くなっている証拠です。

この背屈制限があると、しゃがむ・立ち上がる・歩くといった基本的な動作において、他の関節がその分の負担を補おうとするために、さまざまな不調が生じてしまいます。


足首の硬さが「膝痛」や「腰痛」の引き金に

足首がうまく背屈できないと、歩くときにスムーズに体重移動ができなくなります。すると膝が本来よりも大きく前に出てしまい、膝関節への過剰なストレスがかかるようになります。特に**膝蓋骨周辺の痛み(いわゆるジャンパー膝やPFPS
膝蓋大腿部痛症候群 )**や、内側・外側の関節部の痛みは、足首の機能不全から始まっているケースが多く見られます。

また、足首が硬いことで、腰椎の可動が過剰になったり、逆に制限されたりすることで、慢性的な腰痛の原因になります。つま先が返らないために、反り腰や骨盤前傾の強い方に多く見られる現象です。


足から首まで連動している身体のしくみ

身体はすべてつながっています。足首の背屈制限があると、股関節の動きにも影響が出てきます。その結果、姿勢が崩れやすくなります。猫背や反り腰など、不良姿勢の連鎖が起こりやすくなるのです。

こうした不良姿勢は、肩や首への負担も引き起こします。動作や姿勢のエラーが様々な場面でで起こってしまい、上肢帯(肩甲帯)全体のバランスを崩し、肩こりや首痛、さらには頭痛の原因になることもあります。


上肢帯に負担がかかるとどうなるか?

足首が原因なのに「肩が痛い」「肘が痛い」と言われると、一見関係がないように思われるかもしれません。しかし、足首の硬さからくる動作不良により、腕や肩の位置、負担が変わってしまうことが多いのです。

その結果、腕の挙上動作(手を上げる、物を持つなど)で肩のインナーマッスルや関節に無理な力がかかり、腱板損傷やインピンジメント症候群を招くことがあります。

また、肘に関しても、肩の動作障害が起きることで肘の負担が増加して、テニス肘やゴルフ肘といった障害が起きるリスクが高まります。

野球やテニスなどのスポーツをしている方で足首の背屈制限が肩や肘の痛みにつながっているケースもよく見かけます。


なぜアキレス腱は硬くなるのか?

アキレス腱が硬くなる原因には、以下のようなものが挙げられます。

これらの要因が積み重なると、アキレス腱やふくらはぎの筋肉が縮こまり、徐々に足首の可動域が狭くなっていきます。


改善のためには「足首と全身の弾力性」がカギ

セルフケアとしては「カーフレイズ」といったエクササイズがお勧めですが、それだけでは狂いの生じた動作や姿勢はなかなか改善しません。大切なのは、**関節が本来持っている「弾力」**を取り戻すことです。

「関節ニュートラル整体」では、足首をはじめとする全身の関節に適切な動きと弾力を与えることにより、局所的な痛みだけでなく、姿勢や動作そのものを整えていきます。

また、足首の改善は足元の安定につながるため、体幹の働きが高まり、転倒やつまずきの予防にもなります。


まとめ:足元の不調は全身の不調のサイン

足首の背屈制限やアキレス腱の硬さは、「足だけの問題」と思って放置されがちです。しかし、実際にはそれが引き金となり、膝・腰・肩・首といった全身の不調へと波及していくことが多いのです。

「トイレ座りができない」「かかとがすぐ浮く」「歩くと足がつっぱる」といったサインがある方は、早めに足首のチェックをおすすめします。

当院では、関節の柔軟性・弾力性を取り戻し、根本から身体を整える施術を行っています。気になる方はぜひ一度ご相談ください。

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