【股関節の可動域低下がもたらす膝痛・腰痛への影響と予防の重要性】

2025年5月23日


TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋です。

今回は、慢性的な腰痛や膝痛の原因として見落とされがちな「股関節の可動域の低下」について解説いたします。股関節の柔軟性は、単なる脚の動きだけでなく、全身の運動連鎖、特に腰椎や膝関節の動きに密接に関係しており、これを無視したまま対処すると、痛みを繰り返す体になってしまいます。

1. 股関節の可動域とは

股関節は球関節と呼ばれ、前後(屈曲・伸展)、左右(外転・内転)、内外(内旋・外旋)と非常に多方向に動く構造になっています。

これらの動きがスムーズに行えることが、正常な運動や姿勢を支える基盤になります。

2. 可動域の低下がもたらす運動連鎖の破綻

股関節の動きが制限されると、その動きを代償しようとして他の関節が過剰に動くようになります。これを”代償動作”と呼びます。特に腰椎における代償動作は、腰痛の主な原因となります。

股関節屈曲の低下と腰椎への負担

しゃがむ、座る、前かがみになるといった動作で股関節がうまく屈曲できないと、代わりに腰椎が過剰に屈曲します。これにより、腰椎の椎間板に大きな圧力がかかり、慢性腰痛や椎間板ヘルニアのリスクが増加します。

股関節伸展の低下と腰椎の過伸展

立ち上がる、脚を後ろに引く、歩くといった動作で股関節が十分に伸展できないと、腰椎が後ろに反りすぎる(過伸展)ことで、椎間関節や神経根への圧迫が起きやすくなります。

股関節内転・外転の低下と側屈・回旋の代償

内転の制限は脚を交差させるような動きに影響し、日常動作の中で腰椎が側屈や回旋で代償します。同様に外転の低下では、股関節の外側に脚を広げる動作が制限され、上体を傾けることで補おうとします。これが続くと、腰椎や腰背部に持続的な負担がかかります。

内旋・外旋の低下と腰椎の回旋過多

特にゴルフやテニスなど、体幹を回旋するスポーツや日常の捻り動作において、股関節がうまく内外旋できないと、腰椎が必要以上に回旋することになります。腰椎は回旋の自由度が低いため、無理な動作が関節や筋膜、椎間板を損傷するリスクを高めます。

3. 一回の大きな負荷でも痛みの原因に

これらの代償動作が日々積み重なると、慢性的な炎症や損傷の原因になります。また、たとえ一度の動作であっても、股関節の可動域が不十分な状態で無理な動作をすれば、急性の痛みとして現れることも少なくありません。

例:

4. 予防が最も重要な戦略

これらの痛みを未然に防ぐために、股関節の柔軟性を保つことは極めて重要です。可動域が正常であれば、無駄な代償動作が減り、腰椎や膝関節への負担も軽減されます。

日常的に行いたいセルフチェック

簡単な予防体操例

まとめ

股関節の可動域は、単なる下肢の問題ではなく、全身の運動連鎖を安定させるカギとなる要素です。特に腰痛や膝痛が慢性化している方にとって、股関節の柔軟性の低下が根本原因であるケースは非常に多く見受けられます。

症状が出てから治すよりも、症状が出る前に防ぐ。そのための鍵が「股関節の可動域の確保」であり、日常的なケアと意識が未来の健康を守ります。

TOKYO腰痛肩こりケアセンターでは、全身の関節を評価し、原因を明確にし、適切なアプローチをご提案しております。慢性的な痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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