2025年6月24日
こんにちは、TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋です。
「腰が痛い」「前屈ができない」「朝起きると腰が重だるい」——こうした症状でお悩みの方に、非常に多く共通して見られる原因があります。それが「ハムストリングスの固さ」です。
普段あまり意識されない筋肉かもしれませんが、このハムストリングス、実は腰痛の“隠れた大犯人”であることが非常に多いのです。今回は、ハムストリングスが腰痛に与える影響、そしてその柔軟性を回復する方法について詳しく解説していきます。
ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉群の総称で、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉から成り立っています。これらの筋肉は、骨盤の坐骨結節から始まり、膝の下(脛骨や腓骨)に付着しています。
この構造からわかるように、ハムストリングスが固くなると股関節の動き(特に膝を伸ばした時)を強く制限します。前屈をしようとしたとき、股関節からしっかり曲げるにはハムストリングスが十分に伸びる必要があります。しかしハムストリングスが固いと骨盤が後ろに引っ張られてしまい、股関節の動きが制限され、腰椎(腰の骨)で無理に前屈を補おうとします。
その結果、腰椎に過剰な屈曲ストレスがかかり、腰痛を引き起こすのです。
「体は固いけど、膝を曲げれば前屈できるんです」という方がよくいます。しかしそれは、ハムストリングスの長さが足りていない証拠です。
前屈動作では、股関節がしっかり曲がることが重要です。ところが、ハムストリングスが短縮していると、膝を伸ばした状態で股関節がうまく屈曲できず、「腰から」曲げるような動作になってしまいます。
これは見かけ上の柔軟性ではカバーできない、本質的な可動性の問題です。
つまり、ハムストリングスの固さは腰痛にとどまらず、全身の連動性を崩してしまうリスクがあるのです。
「ハムストリングスが固いなら、ゆっくり伸ばせばいいんでしょ?」と思われる方も多いでしょう。確かに、軽度の拘縮であればスタティックストレッチ(静的ストレッチ)でも効果があります。
しかし、ハムストリングスが長年固いまま放置されてきた方や、強い拘縮を持っている方には、スタティックストレッチだけでは不十分なことが多いです。
実際、「スタティックストレッチでは柔らかくならない人が約半数存在する」という研究報告もあります。
では、どうすればよいのでしょうか?
筋肉を効果的に緩めるために、当センターでは**PNF(固有受容性神経筋促通法)**の技法を応用しています。
筋肉を一度収縮させてから脱力し、伸ばす方法です。たとえばハムストリングスを5秒ほど縮め、その後ストレッチをかけると、筋肉が神経レベルで“緩む”反応が起こります。
筋肉を収縮状態でキープし、その後一気に脱力・ストレッチへ。より深部の筋緊張にも効果的です。
これらの方法はスタティックストレッチでは得られない神経系の反応を引き出すため、慢性的に固い人ほど効果が高いといえます。
日常的に取り組める方法として、以下の運動をおすすめしています。
ハムストリングスを収縮させることで、使いながら緩める効果があります。
膝を伸ばした状態で、片脚ずつ伸展方向に力を入れる運動。膝を伸ばした状態での股関節屈曲を高めます。
実際に当センターで、腰痛を訴えて来られた患者様の中で「前屈ができない」「腰の奥が痛い」という方の多くが、ハムストリングスの著しい短縮を認めます。
そうした方に、上記のような手技やエクササイズを指導し、数週間で大きく改善するケースは非常に多いです。もちろん個人差はありますが、
ハムストリングスの柔軟性が戻ることで、腰椎への過剰な負担がなくなる
という原理は、腰痛改善において非常に重要なポイントです。
腰痛といえば腰回りの筋肉や椎間板ばかりに目が向きがちですが、遠く離れたハムストリングスが原因であることが本当に多いのです。
という方は、ぜひハムストリングスのチェックをしてみてください。膝を伸ばした状態で、80度以上股関節が曲がらないようであれば、それだけで腰痛リスクは高いといえます。
当センターでは、ハムストリングスの弾力・柔軟性を評価し、それぞれに合ったアプローチを指導しています。セルフケアでは難しいケースでも、関節ニュートラル整体の技法を用いることで、安全にかつ効果的に改善が可能です。
「腰が痛いけど、マッサージではなかなか良くならない」
「ストレッチしてるのに、柔らかくならない」
そんな方こそ、“腰”以外の原因を疑ってみてください。
そして、太ももの裏側=ハムストリングスがあなたの腰を苦しめていないか、ぜひ確認してみてください。
ご相談はお気軽にどうぞ。
TOKYO腰痛肩こりケアセンター 仮屋