フォーナウ通信

可動域を増やして腰痛を改善する

2025.7.29


〜体のかたさが腰痛を招く理由とその対策〜

こんにちは。
関節ニュートラル整体TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋崇です。

今回は「腰痛の根本的な改善方法」として、下肢の可動域(柔軟性)を広げることの重要性についてお話しします。
腰痛と聞くと、骨や神経の問題を想像する方が多いですが、実は多くの腰痛は“体のかたさ”、特に下肢の柔軟性不足が大きく関わっています。


腰痛の一番シンプルな原因は「下肢の可動性の低下」

腰痛の原因は様々です。椎間板の問題、筋膜の損傷、関節の弾力の消失、姿勢の崩れ、内臓の影響など…
しかし、最も見落とされやすく、かつ非常に多いのが「下肢の可動域の低下」によって起きる腰痛です。

立位前屈で床に手が届きますか?

立って前屈し、床に手が届かない人は要注意。
その状態では、日常の前かがみ動作(洗顔・靴を履く・掃除など)で腰に余計な負担がかかっています。
腰痛になる未来がすぐそこにあると言っても過言ではありません。


この動作、できていますか? 腰痛リスクを見極める4つの柔軟性チェック

次の4つの姿勢で「肘が床につくかどうか」をチェックしてみてください。

  1. 長座で前屈して肘が床につく
  2. 開脚して前屈し肘が床につく
  3. 足の裏を合わせて前屈して肘が床につく(あぐらのような姿勢)
  4. 正座をして後方に倒れ、肘が床につく

これらの動作ができないということは、股関節、膝、足首周囲の柔軟性や筋肉の柔軟性がかなり低下している状態です。
もちろん一つできないからといってすぐに腰痛になるとは限りませんが、複数できない状態で日常生活を送っていれば、やがて腰痛を引き起こす可能性が極めて高いといえます。


柔軟性の低下が腰に負担をかける理由

人間の体は、動作を分散することで衝撃を減らしています。
股関節や膝、足関節がしっかり動けば、腰椎はそれほど無理をしなくて済むのです。

しかし、下肢の可動域が狭くなると、代償として腰椎が過剰に前屈・後屈・回旋するようになります。

たとえば:

  • 股関節の屈曲制限 → 腰椎の前屈が増える(前かがみで痛くなる)
  • 股関節の伸展制限 → 腰椎の伸展が増える(反ると痛くなる)
  • 股関節の内転・外転制限 → 腰椎の側屈が過剰になる
  • 股関節の内旋・外旋制限 → 腰椎の回旋が過剰になる

つまり、下半身の固さは、腰の動きすぎを引き起こすのです。


ストレッチだけでは不十分? 硬い人ほど効果が出ない理由

柔軟性を高める方法として「ストレッチ」は有名です。
とくに“スタティックストレッチ”(一定の姿勢をじっとキープする方法)は、誰もが一度は取り入れた経験があるでしょう。

しかし、このスタティックストレッチには落とし穴があります。
固くなってしまった筋肉や関節には反応しにくいという事実です。

なぜなら、筋肉は引っ張られると反射的に縮もうとする性質(伸張反射)を持っており、ただじっと伸ばしているだけでは“防御反応”によって伸びにくくなってしまうのです。さらにいえば筋肉は伸びる組織ではありません。正確にいうと伸ばされながら縮むような性質のためこのようなことが起こります。


柔軟性を改善するカギ「コントラクトリラックス」と「ホールドリラックス」

この問題を解決する方法が、「コントラクトリラックス」や「ホールドリラックス」という神経生理学に基づいたストレッチ法です。

● コントラクトリラックス(Contract-Relax)

  1. 対象の筋肉を一度縮める。動きながら力をいれる。
  2. その後脱力して伸ばす
    → 縮めた後に脱力すると、筋肉が“緩みやすくなる”状態がつくれる

● ホールドリラックス(Hold-Relax)

  1. 対象の筋肉を一度縮める。 止まった状態で力を入れる
  2. その後脱力して伸ばす
    → 縮めた後に脱力すると、筋肉が“緩みやすくなる”状態がつくれる

上を見てわかるように止まっているか、動いているかの違いを除けば運動のやり方はほぼ同じです。これらは、いずれも筋紡錘とゴルジ腱器官の神経反射を活用しており、非常に効果的な柔軟性向上法です。


「自分でできる腰痛肩こりケア体操」〜継続できる仕組み〜

当センターでは、このコントラクトリラックスやホールドリラックスを組み合わせたセルフエクササイズを指導しています。
それが「自分でできる腰痛肩こりケア体操」です。

特別な道具や場所は必要なく、寝る前や起き抜けなどのちょっとした時間に取り組めます。
毎日コツコツと行うことで、関節の弾力・筋肉の柔軟性を回復し、「腰痛を予防・改善する体」へと変えていくことができます。


まとめ:腰が痛いなら、まずは足を見直そう

腰痛というと「腰」に目が行きがちですが、
腰を支える下肢(脚)こそ、根本的な原因であることが非常に多いのです。

もしあなたが以下に該当するなら、今すぐ柔軟性アップに取り組んでください:

  • 立位前屈で手が床につかない
  • 長座前屈で肘が床につかない
  • 足の裏を合わせて肘が届かない
  • 正座で後ろに倒れると腰が浮く

逆に、これらの動作をスムーズにこなせるようになれば、腰痛に悩む可能性は大きく減ります。


最後に

柔軟性の向上は、地道な努力が必要です。
しかし、一歩ずつでも改善していけば「痛みのない体」「動ける体」は必ず手に入ります。
腰痛で困っている方も、まだ腰痛になっていない方も、ぜひ今日から始めてみてください。

関節ニュートラル整体では、関節の弾力検査や、あなたに合った体操の提案をしています。
どこに行っても良くならなかった腰痛、一度当センターへご相談ください。

五十肩・四十肩は「異常な血管」が原因?痛みと可動域を回復させるために知っておくべきこと

2025.7.27


こんにちは。TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋です。
今回は多くの方が経験する「五十肩・四十肩」について、あまり知られていない本当の原因と、関節ニュートラル整体による最適な対応時期と回復の考え方について解説していきます。


■ そもそも五十肩・四十肩とは?

一般的には「肩関節周囲炎」と呼ばれる状態で、肩の痛みと可動域制限が特徴です。40〜60代に多く、夜間痛、着替え時の激痛、腕が上がらない・背中に回らないなど、日常生活に大きな支障をきたします。

医学的な画像検査では異常が見つからないことも多く、
「年のせい」「自然に治る」と言われることがほとんどですが、
実際には**“自然に治る”までの過程が非常に長くつらい**のです。


■ 原因は血流不足ではなく、「異常な血管」?

多くの方が誤解しているのが「肩が痛い=血流が悪いから」と思い込むことです。
しかし、最新の研究ではむしろその逆。「異常な血管(新生血管)」が過剰に増え、炎症が長期間持続していることが原因だと言われています。

▼ 異常な血管がもたらす問題

  • 炎症を長引かせる
  • 神経を巻き込むことで痛みを増幅
  • 安静時や夜間に強くなるズキズキした痛み

つまり、「五十肩・四十肩」は血流が悪くて固くなるわけではなく、血流が過剰であることが原因なのです。


■ 自然経過は1〜2年。半年間は悪化が続くことも

五十肩は一般的に1年がかり、場合によっては2年近くかかるケースもあります。
特に最初の3〜6ヶ月は痛みのピーク期であり、この間に無理に動かそうとしても痛い思いをする割に目立った効果を期待できません。

▼ 自然経過の3段階

  1. 急性期(0〜6ヶ月)
     強い痛みが続き、特に夜間痛が目立ちます。動かすと激痛。無理は禁物。
  2. 慢性期(6ヶ月〜1年)
     痛みは徐々に軽減しますが、可動域の制限が強くなります。ここで本格的な施術を開始すべき。
  3. 回復期(1〜2年)
     徐々に動かせるようになりますが、自然には元通りには戻らないことも多い。

■ 痛いのを我慢して動かしても無駄どころか逆効果

よく「痛くても動かせばよくなる」と言う方がいますが、これは大きな間違いです。
急性期に無理に動かすことで炎症が悪化し、異常な血管がさらに増えてしまう可能性があります。

▼ 急性期のNG行動

  • 無理なストレッチ
  • ジムでの筋トレ (痛い動作は避ける)
  • 痛み止めを飲んでの動作訓練

これらはすべて、肩の回復を妨げます。
この時期に必要なのは、無理に動かさずに関節の「弾力」を回復させ、機能を落とさない施術です。


■ 関節ニュートラル整体での施術方針

関節ニュートラル整体では、急性期・慢性期・回復期のそれぞれに応じた最適な施術を行います。

【1】急性期(0〜6ヶ月)

  • 基本的に可動域拡大は目指さない
  • 肩以外の関節(胸椎・頸椎・肘・手首など)の弾力を回復させ、負担を分散
  • 炎症を悪化させないソフトな調整を重視 (肩関節も1mm以下の施術)
  • 安静にしていても動かさないと機能低下が進行するため、最低限の調整が必要

【2】慢性期(6ヶ月〜)

  • 痛みの軽減を確認した上で、肩関節の弾力と可動域の回復を開始
  • 骨頭の転がりと滑りの誘導
  • 肩甲帯、胸椎、鎖骨、頸椎を連動させる
  • 痛みなく「気持ちよく動ける」範囲から改善していく

【3】回復期(1年〜)

  • 定期的に施術を行っていればこの時期には元通りに。
  • 待ちすぎているとここから関節の弾力や機能回復がスタート。
  • 同時に全体の可動域、弾力のための姿勢・習慣改善も行う

■ 本格施術のタイミングを逃すな!

よく「痛みが取れたら来ます」という方がいますが、それでは本当に元に戻らないことが多いのが五十肩です。
**「施術を始めるのが遅い」=「固まった関節が戻りにくくなる」**という現実があります。

▼ 痛みがあっても施術を受けるべき理由

  • 肩関節以外の関節が固くなり、さらに悪循環を招く
  • 放置すると拘縮が進み、最悪凍結肩になる
  • 代償動作による二次災害を防ぐ(腰痛や首痛、背部痛になる人が多い)

痛くて動かせない時期こそ、全身の関節の弾力を整えておくことで、回復期にスムーズに肩の施術が行えます。


■ まとめ:五十肩の回復は“タイミング”が命

  • 五十肩は**異常な血管(新生血管)**が原因で長引く炎症
  • 平均1年、重症で2年かかる可能性もある
  • 初期6ヶ月は無理に動かさず、安全な施術で機能低下を防ぐ
  • 本格的な施術は6ヶ月以降がベストタイミング
  • それでも痛みがある時期から施術を開始することで、結果的に可動域と回復が早くなる

■ 最後に:放置せず、一緒に回復の道筋をつくりましょう

五十肩・四十肩でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
「痛いから何もできない」ではなく、「痛くてもできること」をしっかり見極めながら、
関節の弾力と動きやすさを少しずつ取り戻していくことが大切です。

関節ニュートラル整体で、無理なく、でもしっかりと回復への道筋を整えていきましょう。

起床時の腰痛・じっとしていると固まる腰痛──その原因は血流の“多さ”かもしれません

2025.7.25


こんにちは。
TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋崇です。
今回は「起床時の腰痛」や「じっとしていると固まって痛くなる腰痛」についてお話しします。これらは、レントゲンやMRIでは異常が見つかりにくく、治療法に迷う方も多い症状です。長引く痛みでお悩みの方、実はその原因に「異常な血管」が関係しているかもしれません。


じっとしていると痛い腰、朝だけ痛い腰──これらは長引く腰痛の典型

腰痛と一口に言っても、種類はさまざまです。中でも「朝起きたときに痛い」「じっと座っていると固まるように痛い」といった症状は、多くの方が経験します。動いているうちに和らいでくるため、放置してしまいがちですが、これらの痛みこそ、慢性化して長引きやすい特徴があります。


実は「血流が悪いから痛い」わけではない?

「血流が悪いから痛くなる」と聞いたことがあるかもしれません。確かに冷えや循環障害が関係するケースもあります。しかし、じっとしていると痛い・朝に痛いタイプの腰痛に関しては、むしろ「血流が過剰で痛くなる」ケースが多いことがわかってきました。

その原因の一つと考えられているのが、「異常な血管(異常血管新生)」です。これは、元々なかった場所に過剰に血管が形成されてしまう状態を指します。異常血管ができると、その部位だけ局所的に血流が1.5倍に増加するといわれています。これが、痛みの大きな引き金になるのです。


なぜ安静時に痛くて、動くと楽になるのか?

不思議に思うかもしれませんが、安静にしているときほど「異常な血管による血流の過剰」が際立ち、結果として痛みを強く感じます。

逆に、動き出して全身の血流が活発になると、腰に集中していた血流が分散され、結果として痛みが軽くなることが多いのです。
このメカニズムは「朝の痛み」と「じっとしていて固まるような痛み」の両方に共通しています。


異常血管ができやすい部位──腰だけではない!

このような異常な血管は、負担のかかる部位にできやすいことがわかっています。

腰以外で有名なのが「五十肩」です。五十肩の痛みが夜間や安静時に強く出るのも、同様の理由です。
そして、このタイプの痛みの厄介な点は、とにかく長引くということ。
五十肩の場合も、1年から2年という長期にわたって痛みが継続するケースもあります。
腰の場合でも、半年以上続くことも珍しくありません。


対策①:腰に負担をかけない体づくりを

異常な血管ができるのは、「その部位に負担が集中しているから」と考えられています。
つまり、腰だけに負担がかかるような動きや姿勢をしていると、血管異常が悪化しやすいということです。

腰の負担を軽減するためには、腰以外の関節や筋肉の可動性や安定性が重要です。特に、

  • 股関節
  • 胸椎(背骨の中間部)
  • 足関節

これらの関節が固くなると、動作の中で腰が代償動作をしてしまい、余計に負担がかかります。
つまり、「腰が悪いのではなく、他の部位の機能が悪いために腰が痛んでいる」ケースが多いのです。


対策②:痛みのある場所は“長押し”または“ストレッチ”

痛みが出ている場所に直接アプローチすることも有効です。ただし、やみくもに揉んだり叩いたりしてはいけません。

なぜなら、揉むと血流がさらに増加して、かえって痛みが増す可能性があるからです。

そこでオススメしたいのが、

  • 痛みのあるポイントを“長押し”する(30〜90秒)
  • 筋肉を“ゆっくりストレッチ”する

これらのアプローチには、血流の抑制効果があり、異常血管の痛みをやわらげる効果があります。ポイントは“ゆっくり長く”行うこと。勢いをつけたり、強く押しすぎたりすると逆効果になることもあるので注意が必要です。


対策③:関節ニュートラル整体による全身調整

当院で提供している「関節ニュートラル整体」では、腰だけでなく全身200以上の関節の動きと弾力をチェックし、調整を行います。

特に注目するのは、「関節の弾力」です。
固すぎてもダメ、緩すぎてもダメ。ちょうどよい弾力を取り戻すことで、関節がスムーズに動き、腰への偏った負担が軽減されます。

また、全身の弾力が高まることで、血流も全体に分散されやすくなり、腰の異常血管への過剰な血流集中が起きにくくなります。結果として、痛みの根本的な改善につながるのです。


まとめ:起床時や安静時の腰痛は「静けさの中に潜む炎症」

腰痛といえば「動くと痛い」と思われがちですが、「動かないと痛い」腰痛も多く、しかも厄介です。

こうした腰痛は、血流が多すぎることが原因となっているケースがあり、特に異常な血管の新生が関わっています。
安静時や睡眠中は血流が集中しやすく、痛みが増幅。動き出すことで全体に血流が分散されると、楽になるという不思議な現象が起きるのです。

対応としては、

  • 腰以外の関節の機能を高め、負担を分散させる
  • 痛む場所は“長押し”や“ストレッチ”で血流を穏やかにする
  • 全身の弾力を高める施術(関節ニュートラル整体)で根本改善を目指す

ぜひ、ただの「筋肉のコリ」や「寝具の問題」と思い込まず、腰にかかる負担と血流の関係を見直してみてください。

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