フォーナウ通信

股関節と腰痛の関係

2025.7.23


~腰痛を防ぐには股関節の可動域がカギ~


腰痛と聞くと、多くの方が「腰そのもの」に原因があると思いがちです。確かに腰部に痛みが出ているのだから当然そう考えるのは自然ですが、実際には**痛みの出ている場所(腰)と原因となっている場所(股関節など)**が一致しないことが多々あります。

その中でもとくに見逃されやすいのが股関節の可動域制限による腰痛です。
本記事では、股関節の動きと腰痛の密接な関係、そしてそれをどうケアしていけばよいかを詳しく解説します。


股関節の動きと腰椎の関係

人間の股関節は、全身の中でもっとも大きな関節の一つであり、球関節(ボール&ソケットジョイント)であるため、前後・左右・回旋といった非常に広い可動域を持っています。この股関節がうまく動かなくなると、身体はその動きを他の関節で代償しようとします。もっとも代償が起きやすいのが、**股関節に近い「腰椎(腰の背骨)」**です。

代償のパターンと腰痛の出方

● 股関節の屈曲制限 → 前屈時の腰椎過屈曲

股関節の**屈曲(太ももを持ち上げる動き)が硬いと、身体が前に曲がろうとしたときに腰椎が過剰に前に曲がる(過屈曲)**ようになります。
この状態で繰り返し前屈動作をしていると、椎間板や靱帯、筋膜などに過度な負担がかかり腰痛が発症します。

● 股関節の伸展制限 → 後屈時の腰椎過伸展

逆に、股関節の**伸展(脚を後ろに引く動き)が制限されていると、後ろに反るような動きの際に腰椎が過剰に反る(過伸展)**ようになります。
これにより、椎間関節や椎間孔が狭まり、神経圧迫による痛みやしびれが出るケースもあります。

● 内転・外転の制限 → 腰椎の側屈(横方向の傾き)が過剰に

歩行や片足荷重動作の際、股関節の**内転(脚を身体の中心に近づける)や外転(外に開く)の動きが不十分だと、腰が代わりに横に傾くように動く(側屈)**ことで代償します。これも腰椎の関節や筋膜にストレスがかかり、腰の片側だけが痛くなるケースなどにつながります。

● 内旋・外旋の制限 → 腰椎の過剰回旋

股関節には、内旋(脚を内側にねじる)・外旋(脚を外側にねじる)といった回旋動作も存在します。ゴルフや野球、ダンスなどではこれらの回旋が非常に重要です。
これらの動きが制限されると、本来ほとんど動かないはずの腰椎が過剰にねじられるためストレスを受けて慢性的な腰痛を起こしやすく
なります。


動作は複雑に連動している

関節の動きは単純に屈曲・伸展といった一軸の動きではありません。
実際の運動や日常生活では、複数の方向の動きが組み合わさって動作が成立しています。

たとえば…

  • 歩行では、前脚が屈曲・内転しながら地面をとらえ、後脚は伸展・内旋しながら蹴り出します。
  • ランニングやジャンプの着地では、股関節は屈曲・外旋・外転の複雑な組み合わせで衝撃吸収を行います。

つまり、股関節の可動域制限があると、それに連動するすべての動作で腰椎が代償運動を起こすリスクがあるということです。
これは一度の動作で起こるのではなく、繰り返し続けているうちに蓄積され、ある日腰痛として表面化するのです。


理想的な股関節の可動域を目指す

現場でよくお伝えしている目安として、股関節の基本的な可動域は以下のようになります。

動き理想の可動域
屈曲120度
伸展15度
内転30度
外転45度
内旋45度
外旋45度

この目安はあくまでも標準ですが、「この可動域が無理なく出せる」ということが、腰へのストレスを最小限にとどめ、腰痛リスクを大きく減らすことにつながります。


腰痛が出ていなくても要注意

ここで大事なのは、今腰痛がないからといって安心しないことです。
股関節の可動域が狭いまま生活や運動を続けていると、確実に腰への負担が蓄積していきます。

特に以下のような方は注意が必要です:

  • スポーツや運動をしている(動作の負荷が高い)
  • 長時間の座位姿勢(股関節屈曲位が固定される)
  • 年齢とともに可動域が低下してきた
  • ケガや手術で股関節の柔軟性が落ちた

腰痛は「突然起こるもの」ではなく、“少しずつ可動性が失われる”という長い道のりの末に起こる結果であるケースが大半です。


関節ニュートラル整体でのアプローチ

当院「TOKYO腰痛肩こりケアセンター」では、腰痛の根本的な改善のために関節ニュートラル整体という独自の手法を採用しています。

関節ニュートラル整体とは?

関節には8方向(圧縮・牽引・前後・左右・回旋・側屈など)にわずかな“たわみ(弾力)”が存在します。このたわみが失われることで関節の動きが悪くなり、周囲の筋肉や他の関節に無理がかかる状態になります。

関節ニュートラル整体では、股関節や腰椎を中心に全身の200の関節×8方向=1600通りの動きを検査・調整し、失われた弾力を回復させていきます。

股関節の可動域回復が腰痛改善の第一歩

多くの腰痛患者さんが、「腰痛の原因は腰じゃなかったの?!」と驚かれます。
これはまさに股関節や胸椎、足関節などの調整によって腰への代償運動が解除されることで、腰痛が自然と軽減されるからです。


まとめ:腰痛予防のために、股関節に目を向けよう

腰痛を繰り返している方、慢性的に腰の張りが取れない方、そしてスポーツや運動をしている方は、股関節の可動性チェックをぜひ行ってみてください。

そして、

  • 股関節屈曲は120度
  • 伸展は15度
  • 内転30度
  • 外転45度
  • 内旋・外旋それぞれ45度

これらをひとつの目標として意識し、日常的なケア・運動を取り入れていくことが、腰痛予防とパフォーマンス向上の第一歩になります。

腰痛が出てからではなく、出る前に手を打つ
そのために、関節ニュートラル整体の視点で、身体の連動性・関節の弾力・可動域の維持を一緒に目指していきましょう。

股関節の内旋・外旋が動作を左右する理由

2025.7.22


~ゴルフや日常動作における回旋パフォーマンスと痛みの関係~
関節ニュートラル整体 TOKYO腰痛肩こりケアセンター 仮屋崇


はじめに:見落とされやすい股関節の「ねじり」の動き

股関節の可動域や柔軟性と聞くと、前後や左右への開脚、屈伸のような動きを想像される方が多いかもしれません。しかし、もう一つ非常に重要な動きがあります。それが「内旋(ないせん)」と「外旋(がいせん)」です。

この動きは、日常動作だけでなく、スポーツ動作、特にゴルフや野球、テニスなどの「回旋」が多用される競技において、パフォーマンスの差や、ケガの有無に直結する非常に大切な関節の動きです。

今回はこの「内旋・外旋」に注目し、動作と痛みの関係、そして改善法についてご紹介します。


股関節の内旋・外旋とは?

股関節の「内旋」は、太ももが身体の内側に向く動き、「外旋」は外側に向く動きです。具体的な例としては、

  • 内旋: 横座り、膝を内側に倒す動き
  • 外旋: 胡坐(あぐら)、膝を外側に開く動き

可動域の目安は一般的に、内旋・外旋ともに約45度とされています。ただし、個人差が大きく、先天的な骨の形状や関節の構造、筋肉や靭帯の柔軟性により得意・不得意が分かれます。

  • 男性に多いのは「外旋優位」(胡坐はかきやすいが横座りが苦手)
  • 女性に多いのは「内旋優位」(横座りは楽だが胡坐が苦手)

これは性差における骨盤形状の違いなども関与していますが、日常的な姿勢や使い方にも左右されるため、訓練やケアで改善できる部分もあります。


ゴルフやスポーツにおける股関節の「ねじれ」の重要性

ゴルフのスイング動作を例にとってみましょう。バックスイング(テイクバック)時には、右利きの人であれば以下のように股関節が動きます。

  • 右股関節:内旋
  • 左股関節:外旋

逆に、フォロースルーの場面では、

  • 右股関節:外旋
  • 左股関節:内旋

という動きが求められます。

つまり、スイング動作の中で、両股関節が内旋・外旋を相互に使い分けながら連動して回旋動作を完成させているのです。どちらか一方、特に右股関節の内旋が硬い場合、テイクバックの可動域が不足し、肩や腰、膝などの他の関節にしわ寄せが生じます。

このようにして、本来なら股関節が担うべき「ねじれの吸収力」が失われ、代償動作が過剰になることで痛みやケガが起こるのです。


内旋・外旋制限が引き起こす痛みの連鎖

1. 腰痛

股関節がねじれない分、回旋の力がすべて腰椎(特にL4~L5、L5~S1)に集中してしまうと、椎間板や椎間関節に過剰なストレスがかかり、慢性的な腰痛や椎間板ヘルニア、分離症の原因となります。

2. 膝痛

股関節がうまく回旋しないと、膝関節がねじれを代償しようとします。膝は本来、回旋の自由度が非常に小さい構造のため、内側側副靱帯や半月板に負担がかかり、膝痛やスポーツ障害の引き金となります。

3. 首・肩・肘の痛み

回旋動作において股関節が機能しないと、代償的に上半身(特に肩甲帯や頸椎)に負担が増します。例えばゴルフのスイングで、肩や肘を無理に引いて回すようになると、テニス肘や肩のインピンジメント、首の回旋可動域低下なども引き起こされます。


股関節の可動域は先天的に決まってしまうのか?

確かに、骨盤と大腿骨の接合部の形状(股関節の形)は先天的な影響が強く、可動域に限界がある人もいます。

しかし、日常動作や運動習慣により、「筋肉の柔軟性」「関節包の緊張」「滑走性の低下」によっても可動域が制限されているケースが多く、ある程度の改善は努力で可能です。

特に、関節の弾力(関節のたわみや遊び)を改善する施術や運動を継続することで、実用的な可動域は大きく変化します。


改善方法:自分でできる股関節ケア体操

当院で指導している「自分でできる腰痛肩こりケア体操」でも、股関節の内旋・外旋の可動域を広げるメニューを紹介しています。以下は一例です。

● 内旋強化ストレッチ

  1. 立位にてゴルフの動作のように大腿骨に対して骨盤を左右に回旋します(右に捻ると右内旋、左に捻ると左内旋)
  2. 仰向けで膝を90度曲げて膝を内側に倒し、反対の足を重ねます。
  3. これらの状態で切り返しの運動(曲げてから戻る)を10~20回繰り返し、最後にストレッチ

● 外旋ストレッチ

  1. 仰向けで膝を立てて横に開く(4の字)
  2. 立位にてゴルフの動作のように大腿骨に対して骨盤を左右に回旋します。右回旋で左の外旋、左回旋で右の外旋
  3. これらの状態で切り返しの運動(曲げてから戻る)を10~20回繰り返し、最後にストレッチ

● 回旋スイング体操(ゴルフ前のウォームアップに)

  1. 足を肩幅に開いて立つ
  2. 上にのストレッチと同様の動きですが、左に体重移動、右に体重移動します。大腿骨に対して骨盤が動くイメージで。
  3. 股関節から動くことを意識しながら20回

このようなシンプルな体操でも、毎日継続することで股関節の柔軟性が回復し、痛みの予防とパフォーマンス向上に大きく貢献します。


まとめ

  • 股関節の「内旋・外旋」は目立たないが非常に重要な動き
  • 可動域が不足すると、腰痛・膝痛・肩や肘の痛みに波及する
  • ゴルフなどの回旋動作では、右股関節の内旋・左股関節の外旋がテイクバックに必須
  • 可動域の制限には先天的要素もあるが、努力によって改善は可能
  • 日々のセルフケア体操や施術によって「関節の弾力」を取り戻せる

痛みの原因は痛みのある場所にあるとは限りません。股関節のように「地味だけれど重要」な関節の動きに目を向けることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

関節ニュートラル整体 TOKYO腰痛肩こりケアセンターでは、全身の関節の弾力や回旋可動域の検査・調整を行っております。
つらい腰痛・膝痛・スポーツ障害でお悩みの方は、ぜひご相談ください。

首まわりのトラブル決定版

2025.7.18


〜頭痛・肩こり・首の痛み・手のしびれ・肩甲間部の痛み〜
本当の原因と解決法とは?

「毎日のように肩がこる」「頭が重くて集中できない」「寝ても首が痛い」「腕がしびれる」「肩甲骨の内側がズーンと痛む」
こんな首まわりの不調に悩んでいませんか?

整形外科では「異常なし」、整体に行っても一時的な軽減のみ…。
長年こうした症状に悩まされている方は少なくありません。

実は、こうした首まわりの症状には共通する“見逃されがちな原因”があります。
それが「頸椎(けいつい)=首の関節の弾力低下」です。

本記事では、関節ニュートラル整体の視点から「首まわりのトラブルの本当の原因」と「回復のために必要なこと」を詳しくお伝えしていきます。


頸椎の精密な検査がカギ

まず、首の構造を簡単に確認しましょう。
首は「頸椎」と呼ばれる7つの骨から成り、頭と体幹をつなぐ要となる部位です。神経や血管が密集しているため、わずかな不具合が様々な不調を引き起こします。

関節ニュートラル整体の臨床では、重度の肩こりや頭痛、手のしびれといった症状を抱える方ほど、上部頸椎(1番〜3番)に弾力がなく、下部頸椎(5番〜7番)が過剰に動いているという状態が多く見られます。

このアンバランスが、痛みやしびれ、こり感の根本的な原因になっているのです。


関節には8方向の動きがある

人間の関節は1つにつき、以下のように8方向に動きます:

  • 圧縮 (くっつく)
  • 離開(ひらく)
  • 屈曲(前屈)
  • 伸展(後屈)
  • 左右の回旋(捻り)
  • 左右の側屈 (横)

この「関節のあそび」は通常のレントゲンやMRIでは写らない、さらに見た目でもわからない、わずかな可動性=弾力です。
この弾力が失われていると、靭帯をはじめ、血管や神経、筋肉にも負荷がかかるため、頭痛やしびれ、肩こりといった症状が起きてくるのです。


問題の多くは「頸椎の1〜4番」にある

不調のある方を細かく検査していくと、以下のような弾力の消失が多く確認されます。

  • 環椎(1番)と後頭骨:回旋や回旋を伴った前屈・側屈の弾力が欠如
  • 2番上の1番:回旋、回旋を伴った前屈、回旋を伴った側屈の弾力
  • 3番上の2番:特に回旋+側屈の動きが固くなっている
  • 4番上の3番:再び複合的な動きの弾力が消失しているケースが多い

このように、首の上部の関節は一つ一つが複雑に連動しているため、どこか一部でも固くなると、全体の動きが乱れます。

さらに、胸椎や肋椎の弾力の低下があるため、これを補うように下部頸椎が過剰に動いてしまうと、関節にかかる負担が増え、痛み・違和感・重だるさなどが出やすくなってしまいます。


精密な操作で弾力を取り戻す

では、どうすればこの“微細な弾力”を取り戻すことができるのでしょうか?

関節ニュートラル整体では、「関節を正確に検査し、ほんの少しだけ動かす」ことで、弾力を回復させていきます。

例えば、環椎(1番)の弾力が失われている場合は、

  • 2番を固定しながら1番を操作
  • 後方から前方への回旋
  • 前方から後方への回旋
  • 右回旋から左回旋など
    複数の方向から複雑に操作し、極めて繊細な調整を行います。

施術は一見とても地味で「本当に動かしているのか分からない」と感じるほどですが、実際には0.1mm以下の調整が症状に大きく影響します。

そしてこの操作によって、関節の弾力が戻ると、

  • 首が軽くなる
  • 頭痛がすっと消える
  • 肩の力が抜けてリラックスする
  • 呼吸が深くなる
    など、目に見える変化が起きるのです。

首以外の関節も同時にみる

首のトラブルといっても、実は首だけを整えても症状が改善しないことが多いです。

というのも、首の動きは以下のような他の関節とも密接に関係しているからです:

  • 環椎後頭関節:頭の動きと首の最上部をつなぐ
  • 胸椎(背中):姿勢や可動性
  • 肋椎関節(肋骨と背骨):呼吸や体幹の安定性に関与
  • 肩鎖関節・胸鎖関節:胸鎖関節は上肢の軸となります

これらの関節に問題があると、頸椎の動きも制限されたり、代償的にねじれたりします。

つまり、首まわりの不調は「首の関節の問題」だけでなく、「首以外の関節との連動の乱れ」も原因になっているということです。

関節ニュートラル整体では、こうした全身の連動もふまえて施術を行います。


関節ニュートラル整体とは?

ここまで読んで、「関節の弾力って何?」「そんな繊細な調整が必要なの?」と思われた方もいるかもしれません。

「関節ニュートラル整体」とは、200個以上の関節×8方向=1600通りの弾力を1つずつ検査・調整し、全身の自然な動きを取り戻す整体法です。

  • ボキボキしない
  • 強く押さない
  • 表面的なマッサージとは全く異なる
    という点が大きな特徴です。

筋肉の可動性の低下や筋膜の緊張など、様々な要因も含めて「関節から根本的にアプローチ」していきます。


まとめ:首まわりの不調はあきらめないで

首の不調は生活の質に直結します。
そして、首の不調は決して「年のせい」「ストレスのせい」だけではありません。

関節のほんのわずかな弾力を回復することで、頭痛や肩こり、しびれといった症状は大きく改善する可能性があります。

どこに行ってもよくならなかった方
レントゲンやMRIで異常がなかった方
慢性の症状で困っている方

どうか一度、「関節の弾力」という視点で体を見直してみてください。
TOKYO腰痛肩こりケアセンターでは、あなたの首と体を正確に検査し、丁寧に調整していきます。


ご予約・ご相談はお気軽にどうぞ。
あなたの首まわりのトラブルが、今日をきっかけに変わることを願っています。

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