フォーナウ通信

脊柱管狭窄症とは?症状と回復の見通し、再発予防のためにできること

2025.7.8



はじめに

年齢とともに増えてくる腰痛の中でも、「歩くと痛くなって休むと楽になる」「長時間歩けない」「脚にしびれが出てきた」などの症状に悩まされる方の多くが、「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」と診断されています。

このブログでは、脊柱管狭窄症の原因、症状の特徴、回復のプロセス、そして関節ニュートラル整体による根本的な改善と再発予防の考え方について、詳しく解説していきます。


脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症とは、背骨の中を通る神経の通り道「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰から脚にかけて様々な症状が出る状態を指します。

主な原因

  • 加齢による椎間板の変性
  • 脊柱管がプラーク(カス)がたまる
  • 靱帯の肥厚(黄色靭帯の肥厚)
  • 椎体後方の骨棘形成(骨のとげ)
  • すべり症や分離症などによる構造的異常

症状の特徴

  • 間欠性跛行:歩くと脚がしびれる・痛むが、前かがみで休むと楽になる
  • しびれや感覚異常:太ももやふくらはぎ、足先にしびれや違和感
  • 力の入りにくさ:つまずきやすい、脚が重い
  • 排尿障害:重症例では膀胱直腸障害(頻尿や尿漏れ、排尿困難)

一般的な経過と治療の選択肢

回復までの目安

多くの方は、3か月程度で症状が軽快していきます。保存療法(リハビリ、薬、生活指導)で十分対応できるケースがほとんどです。

ただし以下のような場合には、手術を検討する必要があります。

  • 4か月経っても症状が改善せず悪化傾向
  • 日常生活に支障がある(歩行困難、排尿障害)
  • 安静やリハビリで改善がみられない

一般的な保存療法

  • 投薬(消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛薬など)
  • ブロック注射
  • 理学療法(牽引、マッサージ、体操指導)
  • 装具(コルセット)

しかし、根本的に身体の使い方や関節の状態を変えなければ再発しやすいのが特徴です。


関節ニュートラル整体によるアプローチ

当センターでは、「関節ニュートラル整体」という方法で脊柱管狭窄症にアプローチしています。これは、全身の関節に本来備わる**弾力(あそび)**を回復させることで、神経や筋肉、靱帯にかかるストレスを軽減し、体全体の動作や姿勢を根本から改善する技術です。

弾力とは?

関節は、単なる曲げ伸ばしだけでなく、圧縮・離開・前後・左右・回旋・たわみなど8方向の微細な動きを備えています。この動きがスムーズで適度な弾力をもっていると、体は軽く動き、痛みやストレスがかかりにくくなります。

脊柱管狭窄症と診断されていても腰痛や下肢痛がないケース。

腰痛や下肢痛が改善された後に検査をした場合に脊柱管の狭窄がみられるケースがあります。このことからも画像診断だけでなく、関節の弾力が重要なことがわかると思います。


脊柱管狭窄症の回復に必要な3つのキーワード

① 前屈方向への誘導

多くの脊柱管狭窄症では、前かがみになると楽になる傾向があります。これは、前屈することで脊柱管が広がり、神経の圧迫が軽減されるからです。

日常生活でも、腰を反らせる動作(洗濯物を干す、靴を履くなど)は悪化させやすいため、注意が必要です。

② 全身の弾力と可動性の回復

腰だけでなく、胸椎や股関節、足関節の可動性が落ちていると腰椎に過剰な負担が集中します。つまり腰を支える“チーム”全体の働きが悪くなると、腰椎だけが酷使されて神経が圧迫されやすくなるのです。

関節ニュートラル整体では、腰椎だけでなく関連するすべての関節の弾力・あそびをチェックし、調整します。

③ 支持性の回復と安定性の確保

関節がいくら柔らかくても、安定性がなければ体は支えられません。特に**腹部・臀部・下肢の安定性(支持性)**が重要です。

関節ニュートラル整体では、必要に応じて支持性を高める体操やトレーニングも指導します。


よくある質問

Q. 脊柱管狭窄症は手術しないと治らないの?

→いいえ。8割以上のケースは保存療法(整体含む)で改善可能です。症状の出始めの段階から体の使い方や関節の状態を見直すことで、手術を回避できる可能性は高まります。

先に挙げたように脊柱管狭窄症と診断された場合でも腰痛が改善されるケースは多々あります。脊柱管の狭窄は治っていないにも関わらず腰痛は改善されています。

Q. どれくらい通えば改善しますか?

→状態によりますが、週1回ペースで2〜3か月で改善の兆しがみられる方が多いです。初回で変化を感じられる方もいますが、慢性的な変性や神経障害がある場合にはもう少し時間が必要です。


再発予防のために意識したいこと

● 姿勢と体の使い方を変える

反る動作を控え、前屈位を取りやすい身体へシフトする必要があります。立位での前屈が固い人は脊柱管が十分に開かないため注意が必要です。

● 継続的なケアと調整

症状が回復しても、一度狭窄が起きた体は再びストレスを受けやすい状態です。月1回〜2か月に1回程度のメンテナンスをおすすめします。

● 家でもできるケア体操

当センターで指導している**「腰痛肩こりケア体操」**は、関節の弾力と支持性を高める簡単な運動です。時間が取れない方でも、自宅で1日5分行うことで効果を実感されています。


まとめ

脊柱管狭窄症は、適切に対応すれば3か月程度で改善することが多い疾患です。しかし、単に症状を追いかけるだけでは根本的な解決にはなりません。

腰椎だけでなく全身の弾力・可動性・安定性を整えることで、神経への圧迫を和らげ、自然な回復力を引き出すことができます。

関節ニュートラル整体は、再発を防ぎながら生活の質を向上させるための新しい選択肢です。

腰の痛みや下肢のしびれや痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

【分離症の種類とその対策】

2025.7.6


腰椎分離症は、特にスポーツをする若年層から、慢性的な腰痛に悩む中高年まで幅広くみられる疾患です。腰椎の椎弓部分が疲労によって骨折し、分離状態となることで発症します。この記事では、分離症の種類と症状、回復の目安、再発予防までを含めて詳しく解説します。

1. 分離症とは

腰椎分離症は、椎骨の後方部分(椎弓)が分離してしまう状態です。この分離は、繰り返しの運動や過度な伸展・回旋動作などの疲労によって引き起こされることがほとんどです。

分離していても必ずしも痛みを伴うわけではありませんが、痛みがある場合には分離部に炎症や不安定性が関与している可能性が高くなります。


2. 分離症の種類(病期分類)

初期(亀裂期)

  • 椎弓に線状のひびが入っている状態。
  • 疲労骨折の段階で、まだ骨癒合の可能性がある。

進行期(分離進行期)

  • ひびが拡大し、骨の結合力が弱まっている。
  • 骨癒合は難しくなってくる。

終末期(偽関節期)

  • 完全に骨が分離し、関節のように動いてしまう。
  • 骨癒合は困難。
  • 慢性的な腰痛を抱えるケースが多くなる。

また、分離症は「片側分離」か「両側分離」かでも分類できます。片側のみの分離であっても、腰椎の回旋ストレスにより痛みが出ることがあります。両側分離になると椎体が前方にずれる“すべり症”へと移行するリスクもあります。


3. 症状の特徴

分離症やすべり症の典型的な症状には、以下のような特徴があります:

  • 立っていると痛い
  • 反ると痛い
  • 安静にしていると痛みはやや軽減
  • 動き始めや長時間の姿勢保持で悪化

痛みは腰部に集中することが多いですが、すべり症に移行すると下肢のしびれや痛みが出ることもあります。


4. 回復の目安と現実

最短での回復は約3か月とされていますが、これはあくまで症状が落ち着くまでの期間であり、骨の分離そのものが治るわけではありません。実際には、骨癒合が得られないまま症状が改善するケースが多数あります。

しかしこの場合、再発のリスクが高いという問題があります。日常生活やスポーツなどで、再び過剰な負担がかかることで痛みが戻ってくる可能性があるのです。


5. 原因の本質:局所の問題ではない

分離症やすべり症は「結果」であって、真の原因は別の部位にあります。

● 腰仙関節への過剰な負担

分離症やすべり症において、腰仙関節(L5-S1)の弾力や安定性の欠如が共通してみられます。この関節に集中して負荷がかかることで、椎弓に過剰なストレスが蓄積し、分離を引き起こしてしまうのです。

● 股関節や胸椎の硬さ

股関節の屈曲・伸展・回旋の柔軟性が低いと、その動きを補うために腰が過剰に動くようになります。また、胸椎の可動性が失われていても、腰部が代償動作として無理な伸展や回旋を行うことになります。

● 支持性の欠如

腹筋や背筋などの支持性が低下すると、腰椎は不安定となり、小さな力でも損傷を受けやすくなります。


6. 再発予防と症状改善のためのアプローチ

症状を改善し、再発を防ぐには、局所の対処だけでは不十分です。以下の要素が必須となります。

① 腰仙関節の調整

分離症やすべり症において、最も効果が高いのが腰仙関節の弾力回復です。関節ニュートラル整体では、腰仙関節の“あそび”を細かく評価し、微細な調整を行うことで、動作時の過剰な負担を取り除きます。

② 股関節・胸椎の弾力回復

股関節・胸椎の弾力を回復させ、代償動作が起きない体を作ります。特に以下の可動域を確保することが必要です:

  • 股関節屈曲120度以上(膝伸直位では90度)
  • 股関節伸展15度以上
  • 胸椎の伸展・回旋が十分ある状態

③ 支持性の獲得

柔軟性だけでなく、体幹の支持性を高める運動療法が必要です。

  • 腹筋や背筋などのエクササイズ
  • 腰部を曲げすぎない動き方

④ 日常生活での注意

  • 長時間立ちっぱなしを避ける
  • 過伸展・過回旋の動作を控える
  • 毎日の運動(腰痛肩こりケア体操推奨)

7. まとめ

分離症・すべり症は単なる骨の問題ではなく、全身の動作のエラーの結果として起こります。

症状の改善にも再発予防にも、腰仙関節の調整と、股関節・胸椎を含めた全身のの弾力回復、柔軟性や支持性の再構築が不可欠です。

関節ニュートラル整体では、全身の関節を200個×8方向(計1600通り)の動きで評価・調整することで、根本的な原因を探り、改善へ導きます。

腰痛がなかなか良くならない、何度も同じ痛みを繰り返すとお悩みの方は、ぜひ一度、関節ニュートラル整体を体験してみてください。

腰椎椎間板ヘルニアの種類と本当の原因

2025.7.4


腰椎椎間板ヘルニアという言葉は、腰痛や下肢のしびれなどの症状があるときによく耳にする診断名のひとつです。しかし、実際に痛みの原因がヘルニアにあるとは限りません。今回は腰椎椎間板ヘルニアの種類や回復の目安、そして見落とされがちな本当の原因について、関節ニュートラル整体の視点から解説します。


椎間板ヘルニアとは?

背骨と背骨の間にあるクッションの役割を果たしているのが椎間板です。その中心にあるゼリー状の髄核が何らかの圧力で外側に飛び出し、神経を圧迫してしまう状態を「椎間板ヘルニア」と呼びます。

腰椎椎間板ヘルニアは特に多く、腰の痛みや片側の下肢のしびれ、痛みを引き起こすことがあります。


ヘルニアの種類

1. 膨隆型(Bulging disc)

椎間板全体が均等に膨らんでいる状態。神経圧迫は少ないものの、腰の張りや違和感を訴える人がいます。

2. 突出型(Protrusion)

髄核が外に向かって押し出されているが、線維輪は破れていない状態。坐骨神経痛などの症状が出やすいです。

3. 脱出型(Extrusion)

髄核が線維輪を破って飛び出している状態。神経根を強く圧迫し、しびれや痛みが強くなることがあります。

4. 遊離型(Sequestration)

飛び出した髄核が完全に分離し、脊柱管内を移動することもあります。馬尾神経症状(両側のしびれ、排尿障害など)を引き起こす場合もあり、手術の対象になりやすい状態です。


回復の目安と治療方針

腰椎椎間板ヘルニアは、基本的に自然治癒が期待できる疾患です。

  • 通常は1か月〜1か月半の間が最もつらい時期となります。
  • 多くの方が3か月以内に自然と症状が緩和していきます。
  • しかし生活環境(安静にできない)や状態によっては2倍の6か月ほどかかることも。

重要なのは、

3か月を超えても全く症状に改善が見られない場合

この場合、手術の検討が必要になる可能性が高くなります。 手術実績のある専門医による診断と検討が勧められます。

現在では、画像と状態を合わせて即時手術をしていい結果が出ることも多いです。


ヘルニアがあっても痛みの原因ではない?

ここで非常に重要な事実があります。

アメリカのある研究では、腰痛がない健常者1,000人にMRI検査を行った結果、約600人にヘルニア所見があったというデータがあります。

これは、

椎間板ヘルニアがある=痛みの原因とは限らない

ことを示しています。

つまり、実際には他の原因、例えば関節や筋肉の機能不全が本当の痛みの元になっていることがあるのです。

反対に、腰痛のために画像診断を行っても目に見える異常が見つけられない場合も多々あります。


真の原因は「関節の弾力と可動性」

長引く腰痛、しびれ、下肢痛がある場合でも、

  • 椎間板そのものが原因ではなく、
  • 仙腸関節・腰仙関節・椎間関節の機能低下や弾力の消失が原因になっているケースが多々あります。

これは、「関節ニュートラル整体」の視点からも重要です。

関節が本来持つ微細な弾力=あそびが失われると、周囲の筋肉や神経に過剰な負担がかかり、痛みや可動域の制限、慢性腰痛の原因になります。


関節ニュートラル整体の役割

TOKYO腰痛肩こりケアセンターでは、

  • 椎間板だけでなく、
  • 全身の関節の弾力(支持性と柔軟性)を検査し、
  • 必要な部分の弾力を回復し、

痛みの元となる関節の誤作動・弾力消失を解消していきます。

特に、

  • 仙腸関節の弾力の低下(不安定)
  • 腰仙関節の不安定(弾力の低下)
  • 股関節や下肢の機能不全による腰への過負担

など、椎間板以外の原因に着目することで、

ヘルニアがあっても痛みが改善されるケースが非常に多くあります。


まとめ

  • 椎間板ヘルニアには種類があり、ほとんどは自然回復が可能です。
  • 3か月を過ぎても改善がない場合は手術の検討が必要です。
  • 症状がひどい場合(生活が困難、仕事ができないなど)即時手術が有効な場合も。
  • しかし、ヘルニアがあっても痛みの原因とは限らず、関節の機能不全が背景にあることも。
  • 特に、可動性と弾力の回復が腰痛改善・再発予防の鍵となります。
  • 関節ニュートラル整体では、全身の関節を精密に検査・調整し、根本から改善を目指します。

腰の痛みがなかなか良くならない、しびれが続く、といった方は、ぜひ一度、ヘルニア以外の視点から体を見直してみてください。

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