腰痛の種類と動きの関係
2025年9月19日
〜前屈・後屈・側屈・回旋から考える改善のヒント〜
こんにちは。TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋です。
腰痛とひとことで言っても、原因や症状の出方は人それぞれ。中でも重要なのは「どの動きで痛みが出るのか」という観点です。
前屈(体を前に倒す動き)、後屈(体を反らす動き)、側屈(横に倒す動き)、回旋(ひねる動き)。
この4つの動作は、腰痛を理解し改善していくための大きな手がかりになります。
本記事では、それぞれの動きと関係する筋肉・関節を整理し、改善のための視点を紹介します。
1. 前屈で痛む腰痛
前屈で使われる組織
- アキレス腱・ふくらはぎ(ヒラメ筋・腓腹筋)
足首の柔軟性が不足すると、前屈時にハムストリングスや腰椎に負担が集中します。 - ハムストリングス
太もも裏の筋肉で、骨盤と下腿をつなぐ重要な筋群。硬くなると骨盤の動きを妨げ、腰椎が代償して痛みが出やすくなります。 前屈で痛みのあるケースでは最もよく見られるパターンとも言えます。 - 股関節の屈曲
前屈は股関節が120度近く曲がる動きです。股関節が十分に屈曲できないと、その分腰椎が丸まり、椎間板や靱帯にストレスがかかります。 - 胸椎・仙腸関節・腰仙関節
胸椎が硬いと腰椎の動きに負担が集中します。仙腸関節や腰仙関節の弾力が低下すると、前屈動作に痛みが現れることも少なくありません。
前屈痛の特徴
「床に手が届かない」「座って前屈すると腰がつっぱる」といった訴えが多いです。筋肉が原因の場合もあれば、関節の動きが失われているケースもあり、両方を見極めることが大切です。
2. 後屈で痛む腰痛
後屈で使われる組織
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大腰筋・腸骨筋(腸腰筋)
股関節を曲げる働きがありますが、硬くなると伸展(脚を後ろに引く動き)が制限されます。その結果、腰を反らしたときに腰椎に負担が集中します。
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股関節の伸展制限
股関節が十分に伸びないと、その代償で腰椎が過剰に反って痛みが出ます。
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胸椎・仙腸関節・腰仙関節
胸椎の伸展不足や仙腸関節の動きの悪さも、腰椎の伸展動作に痛みをもたらします。
後屈痛の特徴
「反ると腰が痛い」「上を向くと腰に違和感が出る」という訴えが多いです。スポーツ選手では腰椎分離症やすべり症のサインになることもあるため注意が必要です。
3. 側屈で痛む腰痛
側屈で関与する組織
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大腿筋膜張筋・腸脛靭帯
股関節外側の張りが強いと、骨盤がスムーズに傾かず、腰椎や仙腸関節に負担がかかります。
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股関節の内転
股関節の内転が硬いと、側屈の代償で腰椎が過剰に傾きます。
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胸椎・肩甲骨・仙腸・腰仙関節
胸椎や肩甲骨が動かないと、腰椎に負担が集中。仙腸関節や腰仙関節が固まると、側屈のたびに違和感や痛みが出やすくなります。
側屈痛の特徴
「洗顔で横に傾けたときに痛む」「スポーツ中に片側の腰に張りを感じる」といったケースが多いです。
4. 回旋で痛む腰痛
回旋で関与する組織
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梨状筋
股関節の回旋に大きく関与。硬くなると坐骨神経痛のような症状を伴うこともあります。
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股関節の内旋・外旋
回旋の可動域が不足すると、腰椎が過剰にひねられます。
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足関節の内転・外転
下肢からの連動が失われると、腰椎の回旋動作が増えて負担になります。
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胸椎・肩甲骨・仙腸・腰仙関節
胸椎や肩甲骨の回旋が制限されると、そのしわ寄せが腰に及びます。
回旋痛の特徴
「ゴルフのスイングで腰が痛む」「歩くときにひねりがつらい」といったケース。日常生活でも靴を履く、振り向く動作で症状が出やすいです。
5. 腰痛を動きで分類する意義
ここまでの整理で分かるように、腰痛は単なる「腰の問題」ではありません。
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足首の柔軟性不足が腰に影響する
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股関節の可動域制限が腰痛を招く
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胸椎や肩甲骨の硬さが腰痛に関与する
つまり、腰痛は「全身の連動」が崩れた結果として現れるのです。
6. 改善の基本は「全体を見ること」
腰痛を解消するために重要なのは、痛みの出ている動作だけをみるのではなく、その背景にある 全身の動きの連動 を改善することです。
- 前屈痛 → 足首、ハムストリングス、股関節
- 後屈痛 → 腸腰筋、胸椎、仙腸関節 、腰仙関節
- 側屈痛 → 大腿筋膜張筋、肩甲骨、仙腸関節
- 回旋痛 → 梨状筋、股関節の内外旋、胸椎
一見すると腰痛は「腰だけの問題」に思えますが、実際には全身の連動性がカギです。
7. 実際のケアの流れ
当センターで大切にしているのは、関節ニュートラル整体の考え方です。
これは「関節の弾力を回復させ、全身の連動性を整える」アプローチ。
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まずは痛みが出る動きを確認
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股関節や胸椎など、動きの制限を探す
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関節の弾力を回復させる施術
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自宅では「腰痛肩こりケア体操」で全身の柔軟性と弾力を維持
この流れで改善・予防を図ります。
8. まとめ
腰痛を「前屈」「後屈」「側屈」「回旋」という動作別に分類すると、関係する筋肉や関節が明確になります。
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前屈痛:ふくらはぎ、ハムストリングス、股関節屈曲、胸椎、仙腸関節、腰仙関節
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後屈痛:腸腰筋、股関節伸展、胸椎、仙腸関節、腰仙関節
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側屈痛:大腿筋膜張筋、腸脛靭帯、股関節内転、胸椎、肩甲骨、仙腸関節、腰仙関節
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回旋痛:梨状筋、股関節内外旋、足関節内外転、胸椎、肩甲骨、仙腸関節、腰仙関節
ここで特に強調したいのは、どの動きにおいても胸椎・仙腸関節・腰仙関節は深く関わっているという点です。
これらの部位は全身の連動の中で「ハブ」のような役割を果たしており、動きの制限や弾力の消失が腰痛の大きな要因になります。
痛みが出る動作だけをみるのではなく、胸椎・仙腸関節・腰仙関節を含めた全体のつながりを整えることが改善への最短ルートです。
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