2025年9月26日
こんにちは。TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋です。
腰痛の原因は人それぞれ異なりますが、もし「セルフケアを1つだけ選ぶなら?」と聞かれたら、私は迷わず ハムストリングスのケア をおすすめします。
ハムストリングスは太ももの裏にある大きな筋肉群で、坐骨(お尻の骨)から膝の下に付着しています。主に膝の屈曲や股関節の伸展に関わりますが、この筋肉が硬くなると股関節の動きが制限されてしまいます。
特に問題となるのが 股関節の屈曲制限 です。
股関節が十分に曲がらないと、本来股関節が担うべき動きを腰椎(腰の骨)が代わりに行おうとします。その結果、腰椎に過剰なストレスがかかり、腰痛が生じやすくなるのです。
つまり、前屈したときに「腰が痛い」という人の多くは、実は腰そのものが悪いのではなく、ハムストリングスの硬さが根本原因 になっているケースが非常に多いのです。
「前屈ができない」「床に手が届かない」という悩みを持つ方は少なくありません。
単に体が硬いという問題にとどまらず、その背景にはハムストリングスの短縮や柔軟性の低下があります。
特に前屈をしたときに腰に痛みが出る場合、以下のような流れで不調が進んでいきます。
このように、表面上は「腰の痛み」でも、原因をたどると「股関節の制限」と「ハムストリングスの硬さ」に行き着くことが多いのです。
「ハムストリングス」とひとまとめに呼ばれていますが、正確には3つの筋肉から構成されています。
それぞれが微妙に異なる走行をしており、股関節や膝関節に複合的に関わっています。そのため「ハムストリングスを1つの筋肉」と考えるのは簡略化で、実際には3つの筋肉をまとめてケアする必要があります。
ただし、セルフケアの方法としてはまとめて行うことができるため、実践面では「ハムストリングスをケアする」で十分です。
では、具体的にどのようにケアをすればよいのでしょうか?
ここでおすすめするのは 椅子を使った方法 です。手軽で、自宅や職場でも取り入れやすいのがポイントです。
この方法は 「コントラクト・リラックス」 と呼ばれる神経生理学的なストレッチ法を応用したものです。筋肉を収縮させた後に緩めることで、柔軟性が向上しやすくなる仕組みがあります。
「毎日ストレッチをしているのに柔らかくならない」という方も多いでしょう。
実は筋肉は単純に「伸ばす」だけでは柔らかくなりにくい組織です。
筋肉の中には アクチン と ミオシン という収縮タンパク質があり、常に「縮もうとする性質」を持っています。そのため静的に引っ張るだけのストレッチでは、筋肉が反発してしまうのです。
そこで有効なのが「一度収縮させてからリラックスさせる」という方法です。
今回紹介した「椅子に足を乗せてかかとで押す」動作は、まさにこの原理に基づいています。
そのため、柔軟性がなかなか向上しないタイプの人でも効果を感じやすいのです。
腰痛のセルフケアを1つだけ選ぶなら、まずは ハムストリングスのケア を優先してください。
腰痛改善の第一歩は「腰を直接なんとかしよう」とするのではなく、腰に負担をかけている原因を解消すること です。
その原因の代表格がハムストリングスであり、ここをケアできるかどうかで腰痛の未来が大きく変わります。
今日からぜひ実践してみてください。