仙腸関節炎とは?──「骨盤のズレ」ではなく「弾力の喪失」

2025年10月17日


こんにちは。
TOKYO腰痛肩こりケアセンターの仮屋です。

腰の奥やお尻のあたりに痛みを感じて、長く座っていられない。
片足に体重をかけると痛みが出る。
立ち上がるときや階段の上り下りでズキッとする。

そんな症状の背景にあるのが「仙腸関節炎(せんちょうかんせつえん)」です。
整形外科などでは、レントゲンやMRIで異常が見つからないにもかかわらず痛みが強いケースが多く、「原因不明の腰痛」として扱われてしまうことも少なくありません。

しかし、関節ニュートラル整体の視点で見れば、この仙腸関節炎は**“関節の弾力が失われた結果”**として非常に明確に説明できます。


🔹仙腸関節とはどんな関節か

仙腸関節は、骨盤の中心にある仙骨と左右の腸骨の間にある関節です。
わずか1〜2mmほどしか動かない非常に小さな関節ですが、その役割は大きく、

この関節は「完全な可動関節」ではなく、靱帯でがっちり固定されながらも微小な“あそび”を持っている構造です。
つまり、動きすぎてもダメ、動かなくてもダメという非常に繊細な部位なのです。


🔹仙腸関節炎が起こるメカニズム

一般的に仙腸関節炎といわれるものは、炎症そのもの、あるいは**微小なズレや詰まりによって生じる機能障害(仙腸関節障害)**が多いと考えられます。
そのきっかけとなるのが以下のような要因です。

これらが重なると、仙腸関節の弾力が失われ、
「動かない」あるいは「動きすぎる」関節になってしまいます。

その結果、骨盤周辺に微細な炎症が起こり、腰の奥やお尻に鈍い痛みが出る──
これが仙腸関節炎の実態です。


🔹レントゲンやMRIに映らない理由

整形外科でも、仙腸関節炎の診断は難しいといわれます。
なぜなら、仙腸関節は厚い靱帯に包まれており、通常の画像では構造的な異常が映らないからです。

オクノクリニックのサイトでも紹介されているように、仙腸関節炎の診断は**「仙腸関節ブロック」で痛みが軽減するかどうか**で行われることがあります。
これはつまり、「見えないけれど、確かに機能的におかしい」ということを意味します。

関節ニュートラル整体でも、同様の観点から「仙腸関節の弾力消失」を丁寧に検査します。
ほんの1mmの動きの中に、痛みの原因が隠れているのです。


🔹関節ニュートラル整体の考え方

仙腸関節炎を改善させるには、単にマッサージやストレッチで筋肉を緩めるだけでは不十分です。
なぜなら、問題の本質は「関節の弾力」であり、筋肉が原因でない場合には十分な効果は見込めません。

関節ニュートラル整体では、以下の3つのポイントを大切にしています。

  1. 関節の弾力(joint play)の回復
     仙腸関節、腰仙関節、股関節の3つをミリ単位で動かし、連動を修復します。
  2. 動きすぎる関節を安定させる
     弾力を回復させることで、動きすぎていた部分が自然に安定します。
  3. 脳と関節の協調を再学習させる
     関節を整えた状態で軽い運動を行い、「正しい動き方」を神経系に再教育します。

仙腸関節炎の多くは、「ゆるいのに動かない」「固いのに不安定」という矛盾した状態を呈します。
この“微妙なバランスのずれ”を整えるのが、関節ニュートラル整体の真髄です。

実際に自覚症状はないにもかかわらず微小な検査をした際に「圧痛がある」場合も少なくありません。仙腸関節炎予備軍とも言えます。


🔹施術の流れ(例)

  1. 仙腸関節・腰仙関節・股関節の検査
     手技により、弾力のある/ない方向を見極めます。
  2. 微小な調整
     固い場合にはわずかに動かし、緩い場合には締めるように靱帯・関節包を刺激します。
     強い矯正やボキボキは一切行いません。
  3. 全身連動の回復
     胸椎・足首など、仙腸関節に影響する部位もあわせて調整します。
  4. セルフケア指導
     再発防止のために、股関節などの弾力を保つ運動をお伝えします。

🔹セルフケアの一例

炎症期を過ぎた後におすすめなのが、骨盤の腰痛肩こりケア体操です。
これは仙腸関節の弾力を取り戻す、非常にシンプルで安全な運動です。

股関節の屈曲内転(仙腸関節の後ろ)

  1. 仰臥位か座位で右足の膝を左の胸に近づけます。
  2. 軽い力でその反対方向に開く動きを3回~10回行います
  3. 最後に再度左の胸に近づけるストレッチ (10秒程度)

痛みが出ない範囲で行い、股関節や仙腸関節の弾力を回復します。

また、4の字も有効です。

  1. 仰臥位または座位で反対の足に乗せ4の字に足を開きます(上記と反対の動き)
  2. 軽い力でその反対方向に開く動きを3回~10回行います
  3. 4の字に開きストレッチ。

上の動作と行うことで股関節の動きを助け、仙腸関節の負担を軽減します。


🔹日常生活で気をつけたいこと

仙腸関節炎は、日常の「ちょっとした癖」でも再発しやすい関節です。
特に以下のポイントに注意してください。

仙腸関節は“骨盤の蝶番”のような存在です。
日常の何気ない姿勢が、痛みの原因を作ってしまうこともあります。


🔹医学的治療と整体の併用

整形外科では、痛みが強い場合に

といった治療が行われます。

こうした医学的治療が「痛みを抑える」目的であるのに対し、
関節ニュートラル整体は「弾力を取り戻す」「再発を防ぐ」という機能的回復を目的にしています。

ですから、医療と整体は対立ではなく、補完関係にあります。
炎症が強い時期は医療で鎮静化させ、安定期に弾力を取り戻す——これが理想的な回復プロセスです。


🔹まとめ──仙腸関節炎を繰り返さないために

仙腸関節炎は、「骨盤がズレた」という単純な問題ではありません。
原因は、仙腸関節のわずかな弾力の喪失と、全身バランスの崩れにあります。

この3つが仙腸関節炎の特徴です。

関節ニュートラル整体では、仙腸関節だけでなく、
腰仙関節・股関節・胸椎など、痛みの連鎖を作っているすべての関節を同時に整えることで、
**“再発しない骨盤”**を作り上げていきます。

痛みが続いている方、検査で異常が見つからなかった方、
「もう治らないのでは」と感じている方は、ぜひ一度、関節の弾力を見直してみてください。
その1mmの動きが、痛みのない毎日を取り戻す鍵になります。


✳️TOKYO腰痛肩こりケアセンターでは、仙腸関節炎をはじめ、腰痛・肩こり・股関節痛などの根本原因を見極め、
全身の関節をミリ単位で調整する関節ニュートラル整体を行っています。
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