緩いのに引っかかる? 〜雨戸と関節の共通点〜

2025年10月3日


「関節がゆるいのに引っかかる」
こう言われると、少し不思議に感じるかもしれません。

普通、関節が「ゆるい」状態とは、動きすぎてしまう、グラグラする、安定しない――そんなイメージではないでしょうか。逆に「引っかかる」というのは、硬くなって動きにくい、制限がある、スムーズさがない――そういった状態を連想します。

それなのに、「緩いのに引っかかる」。一見すると矛盾するようなこの現象が、実はスポーツ選手や長年体を酷使してきた方々、あるいは年齢とともに古くなってきた関節で、しばしば見られるのです。


雨戸のたとえ

私の実家は築50年近くになります。昔ながらの木造住宅で、今も毎日雨戸を開け閉めしているのですが、この雨戸が最近なかなか言うことを聞いてくれません。

滑らかに動くはずなのに、途中でガタッと引っかかってしまう。力を入れて無理やり閉めようとすると、今度はレールから外れてしまう。建付けが悪くなり、緩んでいるのにスムーズに動かない――まさに「緩いのに引っかかる」という状態です。

関節も同じです。若い頃はスムーズに動いていた関節も、長年の使いすぎやスポーツでの酷使、あるいは加齢による変化によって、建付けの悪い雨戸のように「動くのに動かしにくい」「ゆるいのに引っかかる」状態になってしまうのです。


関節が「ゆるいのに引っかかる」理由

では、なぜこんな現象が起きるのでしょうか。ポイントは次の3つです。

  1. 靭帯や関節包が伸びてしまう
     捻挫や繰り返しのストレスで靭帯が切れると、関節は安定性を失い「ゆるさ」が出ます。
  2. 関節面の摩耗や変形
     軟骨の摩耗や関節の変形が起きると、スムーズな滑りが失われ、ガタッと引っかかる感覚が出ます。
  3. 周囲の筋肉や組織の防御反応
     不安定な関節を守ろうと、周囲の筋肉が硬く緊張します。その結果「ゆるいのに硬い」という矛盾した状態が作り出されるのです。

この組み合わせによって「ゆるいのに引っかかる」という奇妙な感覚が生まれます。


痛みにつながるメカニズム

この状態は腰痛、膝痛、首の痛みなど多くの関節痛の原因になります。

いずれも「スムーズさの欠如」が大きな要因です。


ふつうの引っ掛かりと違う点

単純に「関節が硬い」「筋肉がこわばっている」のであれば、ストレッチやマッサージである程度改善することもあります。

しかし「ゆるいのに引っかかる」関節はそう単純ではありません。むしろ不用意に強く伸ばしたり、無理に動かしたりすると、外れてしまう、炎症が悪化してしまうリスクすらあります。

つまりこのタイプの関節は「外さないように丁寧に動かす」ことが必要になるのです。


関節ニュートラル整体の役割

ここで登場するのが 関節ニュートラル整体です。

関節ニュートラル整体は、関節を「ニュートラル=中立」の状態に保たれるように微細な動きを調整していく手技です。外れてしまいそうな関節を無理に動かすことなく、あくまで安全に「遊び」を回復させることで、スムーズさを取り戻していきます。

関節や筋肉の拘縮、可動性の低下を改善することはもちろん重要です。しかし「緩いのに引っかかる」という特殊な状態は、微細な調整を行わなければ解決できないことが多いのです。


小さな動きが大きな違いを生む

関節の痛みは「大きな動き」で起きると思われがちです。しかし実際には、数ミリ以下の小さな動きのズレや引っ掛かりが痛みの原因になることがあります。

建付けの悪い雨戸も、ちょっとした歪みを修正するだけで驚くほど滑らかに動くようになります。関節も同じで、ごくわずかな動きを修理することで、体全体の快適さが大きく変わるのです。


まとめ

雨戸を修理するように、関節も丁寧に扱う必要があります。派手なストレッチや強い刺激ではなく、ほんのわずかな調整こそが、長年抱えてきた痛みを解消するカギになるのです。

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