股関節・膝関節の痛み ―「使いすぎ」と「使わなさすぎ」から考える関節の老化とケア

2025年11月7日


股関節や膝関節の痛みは、年齢を問わず多くの人が経験する代表的な関節トラブルのひとつです。
「歩くと股関節が痛い」「階段を降りると膝がズキッとする」――こうした痛みは、日常生活の中で知らず知らずのうちに進行していることが少なくありません。

痛みの原因としてよく言われるのが、「使いすぎ」や「経年劣化」。
確かに、長年関節を使えば軟骨はすり減り、筋肉や靭帯の弾力も低下していきます。
しかし実際には、「使い方の偏り」や「可動域のバランスの悪さ」によって、本来の寿命よりも早く老化が進んでしまうケースが非常に多いのです。


使いすぎ・偏った使い方が関節を傷める

股関節や膝関節は、体重を支える「荷重関節」です。
立つ・歩く・走る・しゃがむといった動作のたびに、大きな負担がかかります。
つまり、使わないことよりも「使い方の偏り」のほうが深刻な影響を与えます。

例えば、スポーツで片足ばかりに重心をかけていたり、仕事で長時間立ちっぱなし・座りっぱなしだったりすると、ある部分にだけ負担が集中します。
これが長期間続くことで、筋肉のアンバランスが生まれ、関節の動きが偏ります。
やがて摩耗や炎症が起こり、「使いすぎ症候群」のような状態に陥るのです。

また、加齢による軟骨の摩耗や変形が進むと、「変形性膝関節症」や「変形性股関節症」と診断されることもあります。
しかし、実際には関節自体が完全に壊れているわけではなく、“使い方のバランス”が崩れているだけのケースも多いのです。


足首が固いと膝が痛む理由

膝や股関節が痛い方の多くに共通しているのが、「足首の硬さ」です。
一見関係ないように思える足首の可動域が、実は膝の動作に大きな影響を与えています。

足首が背屈(つま先を上に上げる動き)できないと、しゃがんだり階段を降りたりする際に、膝が必要以上に前に出てしまいます。
結果として、膝蓋骨(お皿)や大腿骨にかかる圧力が増し、炎症や軟骨の摩耗を招きます。
つまり、足首の可動域が狭い=膝への負担増という構図です。

このように、膝が悪いからといって膝だけを見ても根本的な解決には至りません。
「隣り合う関節との連動性」こそが痛み改善の鍵になります。


股関節の可動域が狭いと全身が硬くなる

同じように、股関節の動きが悪くなると膝にも腰にも負担がかかります。
股関節は「動きの中心」ともいえる関節で、骨盤・大腿骨・腰椎・膝関節など、周囲の関節との連携が非常に重要です。

例えば、股関節の屈曲(ももを上げる)や伸展(足を後ろに引く)動作が制限されていると、歩行や立ち上がりの際に腰を反らせて代償するようになります。
その結果、腰痛を併発したり、膝の曲げ伸ばし動作がスムーズにいかなくなったりします。内転(内側に曲げる)がやりにくいと外転(外に曲げる)しすぎて股関節上でも代償動作が発生する場合もあります。

股関節が硬くなることで「全身の連鎖的な不具合」が起きるのです。
理想的なのは、まんべんなく平均的な可動域を保つこと
どこか一部が極端に柔らかくても、逆に他の部分が硬くても、全体のバランスが崩れて痛みを引き起こす原因になります。


痛みの根本 ― 筋力低下と柔軟性の低下

股関節や膝の痛みを単純化して言えば、「筋力の低下」と「柔軟性の低下」が主な原因です。
筋力が弱くなれば、関節を支える力が減り、わずかな動きでも関節にかかる負担が増加します。
柔軟性が低下すると、動作の中で余裕(あそび)がなくなり、衝撃を吸収できなくなります。

これが繰り返されると、関節内の組織にストレスがたまり、結果として痛みとして現れるのです。
「関節の弾力」とは、この“あそび”を回復することに他なりません。


関節ニュートラル整体で弾力を取り戻す

TOKYO腰痛肩こりケアセンターで行っている「関節ニュートラル整体」では、
関節の動きを細かく検査し、「動きが悪い関節を回復させ、緩い関節を締める」ことを目的としています。

変形性股関節症や膝関節症と診断された方でも、関節そのものが完全に壊れているわけではない限り、
関節の弾力を回復させることで動作のスムーズさを取り戻すことが可能です。

実際、わずかでも関節に弾力が戻るだけで、痛みが軽減したり、階段の上り下りが楽になるケースも多く見られます。
「変形=もう治らない」と諦める前に、関節に残された機能を最大限に引き出すアプローチを行うことが大切です。


手術を選ぶ前にやっておきたいこと

痛みが進行し、軟骨の変形が強くなった場合は、最終的に人工関節の手術を検討するケースもあります。
しかし、手術の前後で大きく結果を左右するのが「筋力」と「柔軟性」です。

術前に筋力が低下していると、回復までに時間がかかり、リハビリも思うように進みません。
逆に、術前からしっかり柔軟性と筋力を維持している方は、術後の動作もスムーズで、日常生活への復帰も早い傾向にあります。

つまり、痛みが出た時点で「できることを始める」ことが重要です。
関節ニュートラル整体では、手術を回避したい方や、術後の回復をスムーズにしたい方に対しても、
体の状態に合わせた機能回復のサポートを行っています。


まとめ ― 痛みは「劣化」ではなく「偏り」

股関節や膝の痛みを“年齢のせい”や“老化”と片付けてしまう方が多いですが、
実際には、動作や姿勢の偏りを修正すれば、関節の機能は驚くほど回復します。

人間の体はもともと、バランスよく動けば痛まないようにできています。
そのバランスを取り戻すために、筋力と柔軟性、そして関節の弾力を再構築していくことが、
「痛みを取る」だけでなく「再発を防ぐ」ことにもつながります。

長年使ってきた関節を、もう一度“しなやかに動く関節”へ。
日々のケアと正しいメンテナンスが、関節寿命を延ばす最良の方法です。

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