柔軟性を向上させる本当の意味

2025年12月2日


——“からだが柔らかい=正しい”ではない理由——**
TOKYO腰痛肩こりケアセンター 仮屋

柔軟性について語ると、多くの方が「身体は柔らかいほうが良い」「硬いのは悪いことだ」と考えがちです。しかし、実際の臨床で数多くの肩こりや腰痛、首痛、膝痛の方を施術していると、柔軟性の“量”だけでは問題の本質にたどり着けないという事実が見えてきます。

重要なのは “柔らかいか硬いか” ではなく、
“柔らかさのバランスと、正しく動けるかどうか” です。

本記事では、柔軟性を高めることの本当の意味、そして関節ニュートラル整体がどのように身体の問題を見極め、改善へ導くのかを詳しく解説します。


■ 柔軟性が高ければ良いわけではない

まず誤解してほしくないのは、「からだが柔らかくなければいけない」という考え方です。

全身すべての可動域が多少狭くても、バランスが取れていて動きにエラーがなければ痛みは起こりません。

実際、プロアスリートでも柔軟性はそこまでないのに、極めて合理的に身体を使えるためケガなく動ける人が多くいます。

逆に、開脚180度できるほど柔らかいのに腰痛が治らない人もいます。
この違いを生むのは 「柔軟性の量」ではなく「柔軟性の偏り」 です。

● 問題になりやすいのは「柔らかいところ」と「硬いところ」の差

からだのどこかが柔らかいのに、別の場所は極端に固い。
こうした アンバランスな身体 は、動作の中で負担が偏りやすく、痛みの原因になります。

関節の痛みで多い

これらは、実は柔軟性の偏りによる“代償動作”が大きな原因になっているケースが非常に多いのです。


■ 痛みをつくる「柔軟性の偏り」6つの代表例

① 肩こり:肩甲骨が固く、首が余計に働いてしまう

肩こりの方の多くに見られるのが 肩甲骨の可動域低下 です。

肩甲骨が固いと、本来肩甲骨が担うはずの動きまで 首(特に下部頸椎)が代わりに動く ため、結果として首の筋肉に負担が集中します。
これが慢性的な肩こりをつくる王道パターンです。

② 首の痛み:上部頸椎が固く、下部頸椎が動きすぎる

首の痛みを訴える方の多くは、上部頸椎(C1〜C3)が固い という特徴があります。

すると、そこより下の 下部頸椎(C5〜C7)が過剰に動く ため、ゆるんだ関節に負担がかかりやすくなります。
首が痛い人ほど、「凝っている部分が固い」と思いがちですが、実は逆で 動きすぎてゆるくなっている 場合が非常に多いのです。

③ 腰痛:股関節が固く、腰椎が代償する

腰痛の代表的なパターンは「股関節の固さ」による代償です。

股関節が屈曲・伸展・回旋いずれかで制限されると、
本来股関節がするべき動きを 腰椎がやらされてしまう ため、負担が蓄積します。

腰を揉んでも改善しにくい人は、このパターンが極めて多いです。

④ 膝痛:足首の固さで膝に負担がうつる

足首(特に背屈)が固くなると、しゃがむ・歩く・階段などの動作で膝が必要以上に曲がり、膝関節のストレスが増えます。

膝に痛みが出ていても、原因は 足首の柔軟性低下 にあることがよくあります。

⑤ 肩関節の痛み:肩甲骨が固く、肩関節が動きすぎる

肩甲骨の動きが悪いと、腕を挙げるときなどに
肩甲上腕関節(肩関節)が過剰に動いてしまい、炎症・痛みにつながる ことがあります。

四十肩・五十肩の方に非常に多いパターンです。

⑥ 肘の痛み:手首が固いことで肘に負荷

テニス肘のように「肘が痛い」と思っても、実は原因が「手首の固さ」にあるケースはよく見られます。


■ 下肢が固いだけで、上半身の痛みが出る理由

身体はつながっています。
特に「下肢の動きが悪い人」は、その影響が上半身に及びやすい特徴があります。

つまり 下肢帯の柔軟性低下が、首や肩、肘の痛みにつながる のは珍しいことではありません。

肩こりの原因が足首にある——
これも現場ではよくある話です。


■ 柔軟性よりも重要なこと

柔軟性は、確かに“増えたほうがいい”のですが、
それ以上に重要なのは

◆ 正しく動けるようになること

◆ 負担のかからない身体の使い方を覚えること

柔軟性が十分あっても、動作が悪ければ痛みは出ます。
逆に、柔軟性がそこまで高くなくても、正しく動ければ痛みは出ません。

● 問うべきはこの3つ

痛みの原因を探るために必要なのは、以下のポイントです。

  1. どのような動作が原因で痛みが出ているのか?
  2. 関節・筋肉の柔軟性は十分にあるのか?
  3. ただ単純に「動かし方」に問題があるのか?

そして多くの場合、
柔軟性の低下 × 動作のエラー
の両方が重なっています。


■ それらを正確に判別できるのが「関節ニュートラル整体」

関節ニュートラル整体は、単に固い部分を伸ばす“柔軟体操”ではありません。

● ① 全身の関節・筋肉の柔軟性を検査

どこが固いのか、
どこがゆるいのか、
どこが動きすぎているのか、
全てを一度で評価します。

● ② 動作そのもの(可動域と動かし方)をチェック

関節の使い方には「クセ」があります。
それが痛みをつくる主因になっていることも多く、
このクセを正しく見抜くことが重要です。

● ③ 動作を回復する施術で「正しく動ける身体」へ

関節ニュートラル整体の特徴は

という、機能を整えることに特化したアプローチ にあります。

柔軟性と動作が回復すると、身体は自然と負担が減り、痛みは再発しにくくなります。


■ まとめ:柔軟性の目的は「痛みの出ない動作の獲得」

柔軟性向上の本当の意味は、
ただ身体を柔らかくすることではありません。

この4つが揃ってはじめて、
肩こり・首痛・腰痛・膝痛などの慢性痛から脱することができます。

そしてそれを正確に判別し、最短で改善へ導けるのが
「関節ニュートラル整体」 です。

あなたの身体の痛みは本当に「硬いから」なのか?
それとも「動かし方が悪いから」なのか?
その答えは、身体を検査してみないと分かりません。

柔軟性を“目的”にするのではなく、
痛みの出ないからだ、再発しないからだを“結果として”手に入れる。
そのための最短ルートをご提案しています。

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